「天平の甍」 井上靖 (新潮文庫)
754年に鑑真を招請した、日本人留学生たちの姿を描いた傑作歴史小説です。
井上靖の代表作で、映画にもなっています。新潮文庫から出ています。
732年の第9遣唐使の中に、留学僧の普照と栄叡(ようえい)がいました。
2人は、戒律を行う僧を日本に招請するという使命を、担っていました。
無事に中国に着き、洛陽に入り、留学生としての生活が始まりました。
一方で、戒律師としてふさわしい人物を探しますが・・・
鑑真ファン、唐招提寺ファン、仏教ファンにはたまらない小説です。
私は特に、鑑真が登場する場面から、一気にテンションが上がりました。
「法のためである。たとえ渺漫(びょうまん)たる蒼海(そうかい)が
隔てようと生命を惜しむべきではあるまい。」(P73)
鑑真、サイコーです。この小説の最大の魅力は、鑑真に会えることです。
5度の試みに失敗し、失明しながらも、我が国にやってきた鑑真!
ちなみに、鑑真和上像は、私のお気に入りの仏像のひとつです。
2008年に県立美術館に来た時は、幼かった娘を連れて見に行きました。
「不思議だ。ただ見ているだけで、心が満たされてくる。」
キャッチフレーズどおりでした。いつまでも像から離れられなかった。
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唐招提寺もまた、私の大好きなお寺のひとつです。
大学時代に、青春十八きっぷを使って、何度訪れたことか。
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ところが小説では、脇役の留学僧たちに、スポットが当たっています。
鑑真招請に人生をかける栄叡と普照、経典の収集に人生をかける業行・・・
「われわれはいま海の底へ沈めてしまうだけのために、いたずらに知識を
搔き集めているのかも知れない。」(P52)
作者はむしろ、留学僧たちのそういう虚しさを描きたかったのではないか。
特に、業行の壮絶な運命は、強烈に心に残りました。
さて、井上靖の中国歴史ものでは、「敦煌」もまた有名です。
敦煌の莫高窟から発見された文献に関わる、歴史ロマンです。
さいごに。(今年もよろしくお願いします)
新年、おめでとうございます。今年もよろしくお願いします。
今日から家族で、4泊の旅行に行きます。初めての沖縄です。
私的には、首里城とその周辺の散策が、最大の楽しみです。
娘は、アメリカ村で、大きなパフェを食べる事が楽しみとのこと。
754年に鑑真を招請した、日本人留学生たちの姿を描いた傑作歴史小説です。
井上靖の代表作で、映画にもなっています。新潮文庫から出ています。
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- 作者: 井上 靖
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 1964/03/20
- メディア: 文庫
732年の第9遣唐使の中に、留学僧の普照と栄叡(ようえい)がいました。
2人は、戒律を行う僧を日本に招請するという使命を、担っていました。
無事に中国に着き、洛陽に入り、留学生としての生活が始まりました。
一方で、戒律師としてふさわしい人物を探しますが・・・
鑑真ファン、唐招提寺ファン、仏教ファンにはたまらない小説です。
私は特に、鑑真が登場する場面から、一気にテンションが上がりました。
「法のためである。たとえ渺漫(びょうまん)たる蒼海(そうかい)が
隔てようと生命を惜しむべきではあるまい。」(P73)
鑑真、サイコーです。この小説の最大の魅力は、鑑真に会えることです。
5度の試みに失敗し、失明しながらも、我が国にやってきた鑑真!
ちなみに、鑑真和上像は、私のお気に入りの仏像のひとつです。
2008年に県立美術館に来た時は、幼かった娘を連れて見に行きました。
「不思議だ。ただ見ているだけで、心が満たされてくる。」
キャッチフレーズどおりでした。いつまでも像から離れられなかった。
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唐招提寺もまた、私の大好きなお寺のひとつです。
大学時代に、青春十八きっぷを使って、何度訪れたことか。
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ところが小説では、脇役の留学僧たちに、スポットが当たっています。
鑑真招請に人生をかける栄叡と普照、経典の収集に人生をかける業行・・・
「われわれはいま海の底へ沈めてしまうだけのために、いたずらに知識を
搔き集めているのかも知れない。」(P52)
作者はむしろ、留学僧たちのそういう虚しさを描きたかったのではないか。
特に、業行の壮絶な運命は、強烈に心に残りました。
さて、井上靖の中国歴史ものでは、「敦煌」もまた有名です。
敦煌の莫高窟から発見された文献に関わる、歴史ロマンです。
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- 作者: 井上 靖
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 1965/06/30
- メディア: 文庫
さいごに。(今年もよろしくお願いします)
新年、おめでとうございます。今年もよろしくお願いします。
今日から家族で、4泊の旅行に行きます。初めての沖縄です。
私的には、首里城とその周辺の散策が、最大の楽しみです。
娘は、アメリカ村で、大きなパフェを食べる事が楽しみとのこと。