「アウルクリーク橋の出来事 / 豹の眼」 ビアス作 小川高義訳 (古典新訳文庫)
名作「アウルクリーク橋の出来事」など、ビアスの短編の代表作を集めたものです。
死さえも皮肉ってしまう、辛らつな作品ばかりです。
現在、古典新訳文庫から出ています。
新訳なので、分かりやすいです。
鉄橋に立つ男は、手首を背中で縛られ、首にも縄をかけられていました。
処刑の直前、男が見たものは・・・
さすが傑作です。結末には、あっと驚きます。
「アウルクリーク橋の出来事」は、アメリカ短編小説の代表作のひとつです。
この作品の影響は大きくて、多くの作家に影響を与えたらしい。
私は、ヘミングウェイの「キリマンジャロの雪」を、思い出しました。
(それから、「北斗の拳」のあの言葉も、思い出しました。
「おまえはもう、〇〇でいる」)
「良心の物語」「豹の眼」なども、スパイスが効いていてビアスらしい作品です。
「死の診断」「シロップの壷」「壁の向こう」等の幽霊譚も良い味が出ています。
さて、ビアスの書いたもので、よく知られているものが、「悪魔の辞典」です。
この本には、7項目が抜粋されて、ところどころに差し込まれています。
例えば、「長寿」。その意味は、「死の恐怖が異常に長引くこと。」
ちなみにビアスは70年以上の長寿でしたが、最後は旅行中に失踪してしまいした。
ピアスの失踪は、アメリカ文学史上最大の謎のひとつだとか。
ビアスは、その毒舌から、「ビタービアス」とも呼ばれました。
その作品も、その人生も、どこか運命を嘲笑ったようなところがあります。
さいごに。(ガソリン価格に驚愕)
このあいだ、増税後初めて給油して、その値段にびっくりしました。
せっかく昨年、軽に変えたのに、これでは・・・