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ハックルベリ・フィンの冒険(なぜ古典新訳文庫を買わなかったか)

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 「ハックルベリ・フィンの冒険」 マーク・トウェイン作 大久保博訳 (角川文庫)


 浮浪児のハックルベリが、逃亡奴隷のジムと一緒に、イカダで旅をする物語です。
 「トム・ソーヤーの冒険」の続編です。アメリカ文学の原点とも言われています。

 様々な文庫で出ています。中でも古典新訳文庫版は、2014年の夏に出たばかり。
 土屋訳は、先行の「トム・ソーヤー」同様、とても分かりやすいです。 


ハックルベリー・フィンの冒険(上) (光文社古典新訳文庫)

ハックルベリー・フィンの冒険(上) (光文社古典新訳文庫)

  • 作者: マーク トウェイン
  • 出版社/メーカー: 光文社
  • 発売日: 2014/06/12
  • メディア: 文庫



ハックルベリー・フィンの冒険(下) (光文社古典新訳文庫)

ハックルベリー・フィンの冒険(下) (光文社古典新訳文庫)

  • 作者: マーク トウェイン
  • 出版社/メーカー: 光文社
  • 発売日: 2014/06/12
  • メディア: 文庫



 古典新訳文庫のカバーは、あいかわらずちょっとオマヌケなイラストです。
 しかし、中の挿し絵はとても良いです。数も多くて、配置も工夫されています。

 「トム・ソーヤー」同様、本当に本が好きな人が作っているのでしょうね。
 もちろん、ストーリーは文句なくすばらしい。訳も原文の良さを生かしています。

 ところが、しかし、私は古典新訳文庫版を、選ばなかったのです。なぜか?
 それは、コストパフォーマンスです。(要するに値段。セコイ話ですまない)

 古典新訳文庫版は1冊1200円。上下合わせて2400円。税を入れると約2600円!
 確かにすばらしい本ですが、約400ページで1200円が適正価格でしょうか。

 ちなみに、先に発売された「トム・ソーヤー」は、540ページで933円。
 安くはありませんが、まあ、充分に納得のできる価格です。

 それなら「ハック」は、約800ページで1500円くらいか、と想像していました。
 ところが、上下合わせて2400円。許容範囲を大きく超えてしまいました。

 私は、文庫本の大きな魅力のひとつに、安さという美徳があると思っています。
 古典新訳文庫の「ハック」の価格は、文庫本本来の美徳を損なってしまいました。

 こういう理由で、古典新訳文庫の「ハック」を、私は選びません。
 中身のすばらしさを認めた上で、泣きながら(アホか)却下いたしました。

 さて、「ハックルベリ・フィンの冒険」は、角川、新潮、岩波からも出ています。
 さすが、名作です。児童向けのものを入れると、もっと多くなります。

 新潮文庫は全1冊で約700円。訳者はNHKドラマで話題の村岡花子。
 岩波文庫は二分冊で、合わせて1400円ほど。新潮も岩波も、訳が古すぎます。

 結局、私が選んだのは、角川文庫の大久保訳です。全1冊。650ページで743円。
 1999年の訳を改定したものです。挿し絵もあります。まあ、無難な作りです。


ハックルベリ・フィンの冒険―トウェイン完訳コレクション (角川文庫)

ハックルベリ・フィンの冒険―トウェイン完訳コレクション (角川文庫)

  • 作者: マーク トウェイン
  • 出版社/メーカー: KADOKAWA/角川書店
  • 発売日: 2004/08/01
  • メディア: 文庫



 ところで、勝手な予想ですが、新潮文庫から新訳が出るのではないでしょうか。
 少し前に、「トム・ソーヤー」が新訳で出ました。だから、もしかして・・・

 今回は、「ハック」の内容に触れられませんでした。
 それはまた次回に。

 さいごに。(くるかなテスト)

 娘の小学校には、「くるかなテスト」というのがあります。
 正式名称は、「夏休み来るかな?テスト」。

 国語と数学のテストを、100点取るまで何度もやり直すというものです。
 今日が夏休み前の最終日ですが、クラス全員が合格しているようで、良かったです。

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