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バッカイ

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 「バッカイ」 エウリーピデース作 逸身喜一郎訳 (岩波文庫)


 ディオニューソスを神だと認めない者が、復讐されて滅びる悲劇です。
 副題は「バッコスに憑かれた女たち」。エウリーピデースの遺作です。

 昨年の2013年5月に出ました。「ギリシア悲劇全集」の文庫化でしょうか。
 比較的に読みやすかったです。文庫化してくれたことに感謝します。


バッカイ――バッコスに憑かれた女たち (岩波文庫)

バッカイ――バッコスに憑かれた女たち (岩波文庫)

  • 作者: エウリーピデース
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 2013/05/17
  • メディア: 文庫



 ディオニューソス神(=バッコス)は、故郷のテーバイにやってきました。
 彼がゼウスの子だと信じないテーバイ王家の一族に、復讐するためです。

 まずディオニューソス神は、王家の女たちを狂わせ、自分の信者にしました。
 これが、「バッコイ」(バッコスに憑 かれた女)です。

 そして次の狙いは、神を信じないテーバイ王ペンテウス。
 ディオニューソス神は、狂女バッコイらを使って、実に残酷な復讐を・・・

 この復讐が、実におぞましい。
 くわばらくわばら。触らぬ神に、祟りなしです。

 さて、この本は、本文が100ページほどで、すぐに読めてしまいます。
 しかし、訳注と訳者解説が、その後えんえんと100ページほど続きます。

 こういう本作りを、丁寧と言うか、おせっかいと言うかは、微妙なところ。
 私としては、訳注と解説を最小限にして、定価を下げてほしいです。

 「ディオニューソスの別名はバッコス」
 そのほか2~3の注釈があれば、もう充分でしょう。

 ほかのエウリー ピデースの作品も、ちくま文庫で読めます。
 「メディア」と「アンドロマケ」は、読んでおきたいです。

 さいごに。(ちび美容師さん)

 最近はバリカンを使って、家でカットしています。
 ほとんど自分でできるのですが、最後の仕上げは、娘や妻に頼みます。

 特に娘が、もの珍しさもあってか、とても一生懸命にやってくれます。
 「パパ専属ちび美容師さん」に任命したら、とても喜んでくれました。


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