バッカイ
「バッカイ」 エウリーピデース作 逸身喜一郎訳 (岩波文庫) ディオニューソスを神だと認めない者が、復讐されて滅びる悲劇です。 副題は「バッコスに憑かれた女たち」。エウリーピデースの遺作です。 昨年の2013年5月に出ました。「ギリシア悲劇全集」の文庫化でしょうか。 比較的に読みやすかったです。文庫化してくれたことに感謝します。 バッカイ――バッコスに憑かれた女たち (岩波文庫)作者:...
View Article村のロメオとユリア
「村のロメオとユリア」 ケラー作 草間平作訳 (岩波文庫) お互いに敵として争う農夫を父に持つ、ある青年と少女の悲恋の物語です。 「緑のハインリヒ」で有名なケラーの、短編小説の傑作です。 岩波文庫から7月に復刊されたばかりです。 初訳はなんと大正7年。改訳はされていますが、古くて読みにくいです。 村のロメオとユリア (岩波文庫 赤 425-5)作者: ケラー出版社/メーカー:...
View Articleアイヴァンホー
「アイヴァンホー」 スコット作 菊池武一訳 (岩波文庫) リチャード獅子心王に仕えた騎士「アイヴァンホー」の、愛と冒険の物語です。 スコットランドの作家スコットの、代表的な歴史小説です。 岩波文庫で長い間品切れでしたが、この夏にようやく上下巻が復刊されました。 訳は少し古いです。活字は小さくて、老化が進んだ私の眼には読みにくいです。 アイヴァンホー〈上〉 (岩波文庫)作者: ウォルター...
View Articleベーオウルフ
「ベーオウルフ」 忍足(おしたり)欣四郎訳 (岩波文庫) スカンジナビアを舞台に、英雄ベーオウルフの活躍を描いた叙事詩です。 8世紀から9世紀に書かれた、中世イギリス英雄叙事詩です。 現在、岩波文庫から出ています。1990年に出た比較的新しい訳です。 読みやすくする工夫が、随所に盛り込まれています。 ベーオウルフ―中世イギリス英雄叙事詩 (岩波文庫)作者: 出版社/メーカー:...
View Article日はまた昇る
「日はまた昇る」 ヘミングウェイ作 高見浩訳 (新潮文庫) パリやスペインで豪遊する、失われた世代のアメリカ青年たちを描いた物語です。 ヘミングウェイの処女長編で、彼の出世作です。 現在、新潮文庫、ハヤカワepi文庫、集英社文庫などから出ています。 私が読んだのは新潮文庫版。高見訳は分かりやすくて、良かったです。 日はまた昇る (新潮文庫)作者: アーネスト...
View Article2014年9月発売の気になる文庫本
2014年9月発売予定の文庫本で、気になるものを独断で紹介します。 データは、出版社等のHPやメールマガジンを参考にしています。 ◎ 新潮文庫(9/1)から、次の3冊。 ・ 「ジム・スマイリーの跳び蛙」 トウェイン作 柴田元幸訳 → 新訳名作コレクション。ちょっと楽しみ。 ジム・スマイリーの跳び蛙: マーク・トウェイン傑作選 (新潮文庫)作者: マーク トウェイン出版社/メーカー:...
View Article19世紀アメリカ文学のベスト10を選びました
「文学全集 第Ⅴ集 19世紀アメリカ編」 文庫本で自分だけの文学全集をそろえることが、このブログの目標です。 そろそろ第Ⅴ集の19世紀アメリカ文学編を決定する時期になりました。 すでに、第Ⅰ集から第Ⅳ集は、以下のように完成しています。 第Ⅰ集「19世紀フランス編」 → http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2010-10-23 第Ⅱ集「19世紀イギリス編」...
View Article19世紀アメリカ文学のベスト10を選びました2
「文学全集 第Ⅴ集 19世紀アメリカ編」について若干の補足説明 前回、「19世紀アメリカ文学のベスト10」を選びました。 その10作品は、以下の通りです。 1 「ホーソーン短篇小説集」ホーソーン(1837年~)岩波文庫 ¥907 2 「ポー短編集Ⅰ・Ⅱ」ポー(1839年~)新潮文庫 ¥432・¥529 3 「緋文字(ひもんじ)」ホーソーン(1850年)古典新訳文庫 ¥1296 4...
View Articleセールスマンの死
「セールスマンの死」 アーサー・ミラー作 倉橋健訳 (ハヤカワ演劇文庫) 夢破れ人生に疲れたセールスマンが、自滅していく姿を描いた戯曲です。 作者アーサー・ミラーの地位を、不動にした名作です。 2006年に刊行が開始されたハヤカワ演劇文庫の、最初に出た作品です。 訳は分かりやすくて、活字は読みやすいです。 アーサー・ミラー〈1〉セールスマンの死 (ハヤカワ演劇文庫)作者:...
View Article叶えられた祈り
「叶えられた祈り」 カポーティ作 川本三郎訳 (新潮文庫) 上流階級に紛れ込んだ男娼が、彼らの退廃的な生活を語る作品です。 セレブたちから激怒され、未完に終わった遺作です。 1999年に単行本として刊行されて、現在は新潮文庫から出ています。 訳は分かりやすくて、活字は読みやすいです。 叶えられた祈り (新潮文庫)作者: トルーマン カポーティ出版社/メーカー: 新潮社発売日:...
View Articleテレーズ・デスケイルゥ
「テレーズ・デスケイルゥ」 モーリヤック作 杉捷夫(としお)訳 (新潮文庫) 夫の毒殺未遂の裁判で、無罪放免となった女テレーズの苦悩を描いた物語です。 モーリヤックのノーベル賞受賞は、この作品の影響が大きかったようです。 講談社文芸文庫から、遠藤周作の訳が出ています。分かりやすいのでオススメ。 文芸文庫は無意味に値段が高いことが多いけど、この本だけは買いです。 テレーズ・デスケルウ...
View Articleイエスの生涯
「イエスの生涯」 遠藤周作 (新潮文庫) カトリック信者の著者が、様々な資料をもとに、イエスの生涯をたどった作品です。 歴史小説というよりも、評伝に近いです。 現在、新潮文庫から出ています。 イエスの生涯 (新潮文庫)作者: 遠藤 周作出版社/メーカー: 新潮社発売日: 1982/05/27メディア: 文庫 イエスが目指したものは、神による愛を人々に示すことでした。...
View Articleキリストの誕生
「キリストの誕生」 遠藤周作 (新潮文庫) イエスの死後、後継者たちによってキリスト教が広がる様子を描いた物語です。 名作「イエスの生涯」の続編です。 新潮文庫から出ています。 昨年2013年に改版されて、活字が読みやすくなりました。 キリストの誕生 (新潮文庫)作者: 遠藤 周作出版社/メーカー: 新潮社発売日: 1982/12/28メディア: 文庫...
View Article赤毛のアン
「赤毛のアン」 モンゴメリ作 村岡花子訳 (新潮文庫) プリンス・エドワード島の自然の中で繰り広げられる、アンの少女時代の物語です。 モンゴメリはカナダの作家です。多くのファンを持つアン・シリーズの第1巻です。 新潮文庫版ほか、集英社文庫、講談社文庫、角川文庫などから出ています。 集英社文庫の松本訳は、訳注が豊富で詳しくて、とても分かりやすいです。 赤毛のアン (集英社文庫)作者:...
View Article秘密の花園
「秘密の花園」 バーネット作 土屋京子訳 (古典新訳文庫) 3人の少年少女が、誰も足を踏み込まない「開かずの庭」を再生する物語です。 「小公子」「小公女」と並んで、バーネットの代表作として有名です。 古典新訳文庫、新潮文庫などから出ています。 古典新訳文庫版は、訳がとても分かりやすくて、活字も読みやすいです。 秘密の花園 (光文社古典新訳文庫)作者: バーネット出版社/メーカー:...
View Article2014年10月発売の気になる文庫本
2014年10月発売予定の文庫本で、気になるものを独断で紹介します。 データは、出版社等のHPやメールマガジンを参考にしています。 ◎ 光文社古典新訳文庫(10/09)から、次の1冊。 ・ 「感情教育(上)」 フローベール → 河出から山田ジャクによる名訳が出ている。読み比べたい。 参考 http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2010-04-01...
View Articleバラバ
「バラバ」 ラーゲルクヴィスト作 尾崎義(よし)訳 (岩波文庫) イエスの代わりに釈放されたバラバの、その後を描いた物語です。 スウェーデンのノーベル賞作家ラーゲルクヴィストの代表作です。 岩波文庫から出ています。1953年の訳で、言葉遣いは少し古いです。 重版されて出ている今が、購入のチャンス。またいつ無くなるやら。 バラバ (岩波文庫)作者: ラーゲルクヴィスト出版社/メーカー:...
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「沈黙」 遠藤周作 (新潮文庫) キリスト教禁制の時代に、日本に渡ったポルトガル司祭の苦難の物語です。 「深い河」と並ぶ遠藤周作の代表作であり、世界中で翻訳された傑作です。 新潮文庫から出ています。 私は旧版を高校時代に読み、今回新版で約30年ぶりに読み直しました。 沈黙 (新潮文庫)作者: 遠藤 周作出版社/メーカー: 新潮社発売日: 1981/10/19メディア: 文庫...
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「深い河(ディープ・リバー)」 遠藤周作 (講談社文庫) 旅行に参加した日本人の視点で、全てが混在し共存しているインドを描いた作品です。 キリスト教について追求し続けてきた作者が、最後にたどりついた集大成的作品です。 講談社文庫から出ています。新潮文庫ではありません。 この作品のカバーだけが、他とコンセプトが違うのは、出版社が違うからです。 深い河 (講談社文庫)作者: 遠藤...
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