「秘密の花園」 バーネット作 土屋京子訳 (古典新訳文庫)
3人の少年少女が、誰も足を踏み込まない「開かずの庭」を再生する物語です。
「小公子」「小公女」と並んで、バーネットの代表作として有名です。
古典新訳文庫、新潮文庫などから出ています。
古典新訳文庫版は、訳がとても分かりやすくて、活字も読みやすいです。
新潮文庫版の瀧口訳は、少し古いのですが、味わいのある文章です。
インドで両親を亡くし、イギリスのおじに引き取られた10歳の少女メアリ。
住むことになった大きなお屋敷は、ちょっと謎めいていました。
めったに顔を合わせないおじ。どこからか聞こえてくる子供の泣き声。
人の住んでいない多くの部屋。そして、四方を壁に囲まれた不思議な庭。
あるとき、メアリはコマドリに導かれて、ひとつの鍵を見つけました。
それから、つたに隠れていた扉を発見して・・・
この物語は、子供向けの名作として紹介されることが多いです。
しかし、スピリチュアルな内容です。大人が読まなければもったいない。
愛というものを、知らずに育った少女と少年。
愛というものを、封印してしまった男。
花園の再生は、命の再生であり、また愛の再生でもあったのです。
この小説に影響されて、私はうちの小さな庭にラベンダーを植えました。
さいごに。(清泉寮のパンシチュー)
結婚したての頃に清泉寮で食べたパンシチューが、おいしくて忘れられません。
今年の夏のキャンプの時、清泉寮で探したのですが、見つかりませんでした。
後日電話で問い合わせると・・・
パンシチューを出していた喫茶室は無くなって、セレクトショップになっていて、
もうパンシチューは食べられない、とのこと。ああ、余計に食べたくなりました。