「バラバ」 ラーゲルクヴィスト作 尾崎義(よし)訳 (岩波文庫)
イエスの代わりに釈放されたバラバの、その後を描いた物語です。
スウェーデンのノーベル賞作家ラーゲルクヴィストの代表作です。
岩波文庫から出ています。1953年の訳で、言葉遣いは少し古いです。
重版されて出ている今が、購入のチャンス。またいつ無くなるやら。
過ぎ越し祭の恩赦で釈放されたのは、意外にも極悪人のバラバでした。
ゴルゴタの丘の十字架で、死んでいくのは、罪のないイエスです。
バラバはなぜか、イエスから目をそらすことができませんでした。
そして、イエスの死ぬ瞬間、丘全体が暗闇に包まれるのを見たのです。
その日からバラバは、イエスの磔刑の意味を考え始めました。
彼は神の子だったのか? なぜ、進んで苦しみを受けたのか?
バラバの人生は、すっかり変わってしまいました。
そして、ローマの大火では、実に皮肉な展開が・・・
バラバの視点で、キリストの意味を考えているところがユニークです。
ただし、文化の違う我々には、少し分かりにくい。
第一、「バラバ」と言われてピンとくる日本人は少ないのではないか。
ウルトラマンAに出てきた怪獣バラバを、思い浮かべる人の方が多いかも。
(怪獣バラバも、極悪人バラバから名前を取ったのだそうです)
しかし、大戦後のヨーロッパで、この作品はたいへん注目されました。
作者はノーベル賞を受賞し、映画にもなりました。
さいごに。(オトキソ・シーズン3終了)
大好評のEテレ「大人の基礎英語」の、シーズン3が終了しました。
最後は、なんと! ミカとジョーに2人の子どもができていました。
これで、ミカとジョーの恋愛ドラマは、結末を迎えてしまいました。
シーズン4は無いか? それとも、別のドラマが始まるのか?