「沈黙」 遠藤周作 (新潮文庫)
キリスト教禁制の時代に、日本に渡ったポルトガル司祭の苦難の物語です。
「深い河」と並ぶ遠藤周作の代表作であり、世界中で翻訳された傑作です。
新潮文庫から出ています。
私は旧版を高校時代に読み、今回新版で約30年ぶりに読み直しました。
フェレイラ教父が棄教したという噂が、ローマ教会にもたらされました。
弟子のロドリゴたちは、到底その噂を信じることができません。
ロドリゴは仲間2人とともに、キリスト教禁制下の日本へ渡りました。
彼がそこで見たのは、信仰のために苦しめられ、死んでいく信徒たちでした。
それなのに、神はなぜ沈黙しているの か?
そもそも、神は本当に存在しているのか?
やがて、師フェレイラ教父と再会し、知った事実は・・・
そして、ロドリゴもまた・・・
テーマは「神の沈黙」です。重たい内容です。
「イエスの生涯」「キリストの誕生」も、ぜひ一緒に読んでおきたい。
「イエスの生涯」→ http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2014-09-11
「キリストの誕生」→ http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2014-09-18
30年ほど前に読んだときは、司祭たちの苦悩が理解できませんでした。
当時、神を信じることは、何かいかがわしいことに思われていました。
(「あなたは神を信じますかあー」というギャグが流行していた)
今回、最後のシーンを何度も読みなおして、とても考えさせられました。
いろいろ考えましたが、分からないことばかりです。
信仰のために死ぬ者もいれば、信仰のために信仰を捨てる者もいる。
神はいったい、どちらを望んでいるのだろうか。
神の名を唱えながら死ぬ者もいれば、神の名のもとに異教徒を虐殺する者
もいる。両者は紙一重ではないか。いや、もしかしたら同一ではないか。
47歳の今も、この作品がどこまで理解できているのか、分かりません。
高校生の課題図書としては、内容があまりに重たかったようです。
さいごに。(持久走練習)
娘の小学校の持久走大会が、今年は11月に開かれます。昨年は10位。
今年も10位以内を目指して、土日だけ、町内を1周走っています。