Quantcast
Channel: 文庫で読む文学全集
Viewing all articles
Browse latest Browse all 714

沈黙

$
0
0

 「沈黙」 遠藤周作 (新潮文庫)

 キリスト教禁制の時代に、日本に渡ったポルトガル司祭の苦難の物語です。
 「深い河」と並ぶ遠藤周作の代表作であり、世界中で翻訳された傑作です。

 新潮文庫から出ています。
 私は旧版を高校時代に読み、今回新版で約30年ぶりに読み直しました。


沈黙 (新潮文庫)

沈黙 (新潮文庫)

  • 作者: 遠藤 周作
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 1981/10/19
  • メディア: 文庫



 フェレイラ教父が棄教したという噂が、ローマ教会にもたらされました。
 弟子のロドリゴたちは、到底その噂を信じることができません。

 ロドリゴは仲間2人とともに、キリスト教禁制下の日本へ渡りました。
 彼がそこで見たのは、信仰のために苦しめられ、死んでいく信徒たちでした。

 それなのに、神はなぜ沈黙しているの か?
 そもそも、神は本当に存在しているのか?

 やがて、師フェレイラ教父と再会し、知った事実は・・・
 そして、ロドリゴもまた・・・

 テーマは「神の沈黙」です。重たい内容です。
 「イエスの生涯」「キリストの誕生」も、ぜひ一緒に読んでおきたい。

 「イエスの生涯」→ http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2014-09-11
 「キリストの誕生」→ http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2014-09-18

 30年ほど前に読んだときは、司祭たちの苦悩が理解できませんでした。
 当時、神を信じることは、何かいかがわしいことに思われていました。
 (「あなたは神を信じますかあー」というギャグが流行していた)

 今回、最後のシーンを何度も読みなおして、とても考えさせられました。
 いろいろ考えましたが、分からないことばかりです。

 信仰のために死ぬ者もいれば、信仰のために信仰を捨てる者もいる。
 神はいったい、どちらを望んでいるのだろうか。

 神の名を唱えながら死ぬ者もいれば、神の名のもとに異教徒を虐殺する者
 もいる。両者は紙一重ではないか。いや、もしかしたら同一ではないか。

 47歳の今も、この作品がどこまで理解できているのか、分かりません。
 高校生の課題図書としては、内容があまりに重たかったようです。

 さいごに。(持久走練習)

 娘の小学校の持久走大会が、今年は11月に開かれます。昨年は10位。
 今年も10位以内を目指して、土日だけ、町内を1周走っています。

Viewing all articles
Browse latest Browse all 714