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響きと怒り1

 「響きと怒り(上)」 フォークナー作 平石・新納(にいろ)訳 (岩波文庫)


 ジェファソンの名家コンプソン一族の没落を、4人の視点から描いた作品です。
 フォークナーの代表作であり、アメリカ文学の最高峰のひとつでもあります。

 岩波文庫から2007年に新訳が出ています。注釈が丁寧なのでオススメです。
 上の巻末には「主要出来事年表」や「場面転換表」がある。実に親切です。


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響きと怒り (上) (岩波文庫)

響きと怒り (上) (岩波文庫)

  • 作者: フォークナー
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 2007/01/16
  • メディア: 文庫



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響きと怒り (下) (岩波文庫)

響きと怒り (下) (岩波文庫)

  • 作者: フォークナー
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 2007/01/16
  • メディア: 文庫



 かつてこの作品は、講談社文芸文庫でしか読むことができませんでした。
 岩波文庫版が出た今、すでにその役割は、終わっているかもしれません。


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響きと怒り (講談社文芸文庫)

響きと怒り (講談社文芸文庫)

  • 作者: ウィリアム・フォークナー
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 1997/07/10
  • メディア: 文庫



 コンプソン家はかつて、南部の町ジェファソンで、大いに尊敬されていました。
 しかし1928年の現在では、すっかり没落し、家庭は崩壊し始めています。

 その没落の様子を、1章では三男のベンシー、2章では長男のクウェンティン、
 3章では次男のジェイソン、4章では召使のディルシーの視点で描かれています。

 さて、この小説を読み始めてすぐ、急に自分の頭が悪くなったように感じました。
 理解できないのです。同じページを何度読み直しても、分からないのです。

 次から次に人が登場し、次から次にしゃべり始め、次から次に場面が変わります。
 第一、「ボク」というのが、誰なのか分かりません。語り手は誰なのか?

 やむをえず、下巻の解説や上巻の注釈を読んで、ようやく納得。そういうことか。
 ベンジーは犬だと思っていましたよ。よだれを垂らしてうめいているのだから。

 この作品は、予備知識なしに読むのは危険。まだ読んでいない人にアドバイス。
 最初は理解しようと思わなくてけっこう。適当に飛ばし読みしましょう。

 さて、第2章に入って、語り手が代わって、ほっとしたのもつかの間。
 今度は一人でぐじゃぐじゃと、脈絡のないことを言っていて、ついていけない。

 上巻の巻末に、注釈のほか、「主要出来事年表」と「場面転換表」があります。
 私はこれを使って、その場面を確認しながら、読まなければなりませんでした。

 逆に言うと、そういうものを用意しなければ、理解が困難な小説です。
 正直に言って、上を読み終わった時点で、私の頭の中はぐじゃぐじゃ。

 下巻を読むのがためらわれます。(もちろん読むのですが。)
 アメリカ文学の最高峰だという評判は、ほんとうなのでしょうか?

 さいごに。(怖すぎたお化け屋敷)

 〇〇大学祭へ行き、娘と近所の友達が2人で、お化け屋敷の行列に並びました。
 30分も待って入ったのに、1分もしないうちに、入り口から出てきました。
 あまりにも怖すぎたので、すぐにリタイアしたのだそうです。

 ほかの展示を見たあと、最後にもう一度、お化け屋敷へ行きました。
 今度は1時間も待ちました。が、またも2人は1分でリタイヤ。
 「もう2度とお化け屋敷には入らない」と、娘は言っています。

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