「好色五人女」 井原西鶴作 吉行淳之介訳 (河出文庫)
当時の話題の事件をもとに描かれた、恋に命をかける五人の女の物語です。
「好色一代男」の2年後に書かれ、西鶴の代表作の一つとなった作品です。
角川ソフィア文庫版は、原文と訳が付いていいます。
河出文庫版は、吉行淳之介の訳で、とても分かりやすかったです。
「好色五人女」は短編集で、物語の一つ一つは短く、少し物足りないです。
物語が佳境に入った途端、あっけなく終わってしまう作品もありました。
その中で、最も印象的だったのが、最後を飾る「おまん源五兵衛物語」。
衆道に迷う男を、おまんはいかにして振り向かせるか・・・
この本には、ほかに「好色一代女」も収録されています。
「好色一代女」は、「好色一代男」同様、ある人物の性の一代記です。
恋に悩む二人の男が、人里はなれた山の中を歩いていました。
山の奥には静かな住居がありました。その名も「好色庵」!
その住人で、品のよい老女がこそ、好色一代女です。
二人の男を前に、自分の恋多き人生を語りだします。
姫君として生まれながら、転落していく過程で、様々な職に就きました。
太夫、天神、囲い女郎、見せ女郎、遊女、奉公人、茶屋女、風呂女・・・
そして、あらゆる階層の男(時に女)たちと交わります。
私的には、終盤の老いてからの話が、とても面白かったです。
この作品を読み通すと、江戸の性風俗のちょっとした通になれます。
ところで、「好色一代男」と「好色一代女」は、対になっています。
「一代男」は女を買いまくりました。「一代女」は身を売りまくります。
「一代男」は好色丸で船出しました。「一代女」は好色庵に隠居します。
そして「一代男」も「一代女」も、一代限りの人生。子孫は残しません。
ぜひ両方セットで読んでおきたい作品です。
さいごに。(梅)
梅を見に行きました。きれいに咲いていました。
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当時の話題の事件をもとに描かれた、恋に命をかける五人の女の物語です。
「好色一代男」の2年後に書かれ、西鶴の代表作の一つとなった作品です。
角川ソフィア文庫版は、原文と訳が付いていいます。
河出文庫版は、吉行淳之介の訳で、とても分かりやすかったです。
「好色五人女」は短編集で、物語の一つ一つは短く、少し物足りないです。
物語が佳境に入った途端、あっけなく終わってしまう作品もありました。
その中で、最も印象的だったのが、最後を飾る「おまん源五兵衛物語」。
衆道に迷う男を、おまんはいかにして振り向かせるか・・・
この本には、ほかに「好色一代女」も収録されています。
「好色一代女」は、「好色一代男」同様、ある人物の性の一代記です。
恋に悩む二人の男が、人里はなれた山の中を歩いていました。
山の奥には静かな住居がありました。その名も「好色庵」!
その住人で、品のよい老女がこそ、好色一代女です。
二人の男を前に、自分の恋多き人生を語りだします。
姫君として生まれながら、転落していく過程で、様々な職に就きました。
太夫、天神、囲い女郎、見せ女郎、遊女、奉公人、茶屋女、風呂女・・・
そして、あらゆる階層の男(時に女)たちと交わります。
私的には、終盤の老いてからの話が、とても面白かったです。
この作品を読み通すと、江戸の性風俗のちょっとした通になれます。
ところで、「好色一代男」と「好色一代女」は、対になっています。
「一代男」は女を買いまくりました。「一代女」は身を売りまくります。
「一代男」は好色丸で船出しました。「一代女」は好色庵に隠居します。
そして「一代男」も「一代女」も、一代限りの人生。子孫は残しません。
ぜひ両方セットで読んでおきたい作品です。
さいごに。(梅)
梅を見に行きました。きれいに咲いていました。
