「ギリシア悲劇Ⅳ エウリピデス(下)」 (ちくま文庫)
父アガメムノンの手で生贄にされかかった、イピゲネイアを主人公にした悲劇です。
「アウリス」で殺されかかった彼女は、女神に救われ「タウリケ」に送られました。
二つのイピゲネイアは、ちくま文庫「ギリシア悲劇Ⅳ」で読むことができます。
どちらも呉茂一訳で、少しとっつきにくい文章です。
イピゲネイアは、トロイア遠征軍総大将であるアガメムノンの長女です。
ところが彼女は、アルテミス女神への生贄として捧げられることになりました。
何も知らないイピゲネイアは、英雄アキレウスとの婚儀の名目で呼ばれ・・・
父アガメムノンは、なんとか我が娘を助けようとしましたが・・・
結局アガメムノンは、総大将の務めを貫徹するため、愛する娘を犠牲にします。
強い男? いえいえ、そんなの本当の強さではありませんよ。
本当に強い男だったら、なにがなんでも娘を生贄なんかにしないものだと思う。
占いがどう出ようが、神々がどんなお告げをしようが、絶対に娘を救うはず。
むしろ、ほんとうに強い人間は、娘のイピゲネイアです。
迷う父と嘆く母を尻目に、自分の宿命を受け入れるさまは、まさに英雄的です。
「アルテミスが私の体をお望みなら、死なねばならぬ人間であるこの私が、
神さまの邪魔をしていいものでしょうか。それはなりませぬ。私の体はヘラ
スのためにお捧げします。」(P593)
イピゲネイアのこのけなげな言葉は、神聖ですらあります。
イピゲネイアは、アルテミス女神の分身であるとも言われているようです。
さて、「アウリス」から数年後、彼女は「タウリケ」で巫女をしていました。
「タウリケのイピゲネイア」は、「アウリスのイピゲネイア」の後日譚です。
タウリケにやってきた二人の異国の若者。
それが弟のオレステスと知らず、彼女は彼を生贄として捧げようとして・・・
この悲劇は、「エレクトラ」「オレステス」などの完結編的な作品です。
悲劇でありながら、結末が悲劇的でないところがいいです。
トロイア戦争モノでも、イピゲネイアのエピソードはとても印象的でした。
しかし、エウリピデスのこの二つの悲劇で、さらに強烈な印象を刻まれました。
さいごに。(システム手帳製作)
システム手帳を、自分で設計して自分で作りたいと、ずっと思っていました。
その夢をかなえるため、1月から隔週でレザークラフト講座に通っています。
いよいよ夢の製作に入りました。絶対に妥協しない方針で作っています。
少しでも気に入らないとやり直すので、ちっとも先に進みません。
父アガメムノンの手で生贄にされかかった、イピゲネイアを主人公にした悲劇です。
「アウリス」で殺されかかった彼女は、女神に救われ「タウリケ」に送られました。
二つのイピゲネイアは、ちくま文庫「ギリシア悲劇Ⅳ」で読むことができます。
どちらも呉茂一訳で、少しとっつきにくい文章です。
イピゲネイアは、トロイア遠征軍総大将であるアガメムノンの長女です。
ところが彼女は、アルテミス女神への生贄として捧げられることになりました。
何も知らないイピゲネイアは、英雄アキレウスとの婚儀の名目で呼ばれ・・・
父アガメムノンは、なんとか我が娘を助けようとしましたが・・・
結局アガメムノンは、総大将の務めを貫徹するため、愛する娘を犠牲にします。
強い男? いえいえ、そんなの本当の強さではありませんよ。
本当に強い男だったら、なにがなんでも娘を生贄なんかにしないものだと思う。
占いがどう出ようが、神々がどんなお告げをしようが、絶対に娘を救うはず。
むしろ、ほんとうに強い人間は、娘のイピゲネイアです。
迷う父と嘆く母を尻目に、自分の宿命を受け入れるさまは、まさに英雄的です。
「アルテミスが私の体をお望みなら、死なねばならぬ人間であるこの私が、
神さまの邪魔をしていいものでしょうか。それはなりませぬ。私の体はヘラ
スのためにお捧げします。」(P593)
イピゲネイアのこのけなげな言葉は、神聖ですらあります。
イピゲネイアは、アルテミス女神の分身であるとも言われているようです。
さて、「アウリス」から数年後、彼女は「タウリケ」で巫女をしていました。
「タウリケのイピゲネイア」は、「アウリスのイピゲネイア」の後日譚です。
タウリケにやってきた二人の異国の若者。
それが弟のオレステスと知らず、彼女は彼を生贄として捧げようとして・・・
この悲劇は、「エレクトラ」「オレステス」などの完結編的な作品です。
悲劇でありながら、結末が悲劇的でないところがいいです。
トロイア戦争モノでも、イピゲネイアのエピソードはとても印象的でした。
しかし、エウリピデスのこの二つの悲劇で、さらに強烈な印象を刻まれました。
さいごに。(システム手帳製作)
システム手帳を、自分で設計して自分で作りたいと、ずっと思っていました。
その夢をかなえるため、1月から隔週でレザークラフト講座に通っています。
いよいよ夢の製作に入りました。絶対に妥協しない方針で作っています。
少しでも気に入らないとやり直すので、ちっとも先に進みません。