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青い花

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 「青い花」 ノヴァーリス作 青山隆夫訳 (岩波文庫)


 夢に現れた青い花に憧れながら、旅を続ける青年詩人の物語です。
 ノヴァーリスの代表作ですが、死のために未完に終わりました。

 現在、岩波文庫と、ちくま文庫「ノヴァーリス作品集」で読むことができます。
 私が読んだ岩波文庫版は、訳が比較的新しくて、読みやすかったです。

 もともと観念的で難解な内容なので、よく分からない箇所もありました。
 この本に関しては、先にあらすじを読んでおくことをお勧めしたいです。


青い花 (岩波文庫)

青い花 (岩波文庫)

  • 作者: ノヴァーリス
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 1989/08/16
  • メディア: 文庫




ノヴァーリス作品集〈第2巻〉青い花・略伝 (ちくま文庫)

ノヴァーリス作品集〈第2巻〉青い花・略伝 (ちくま文庫)

  • 作者: ノヴァーリス
  • 出版社/メーカー: 筑摩書房
  • 発売日: 2006/05
  • メディア: 文庫



 ある夜、ハインリヒの夢に青い花が現れ、やがて乙女の姿に変わりました。
 夢に見たこの青い花と乙女の顔が、彼の頭から離れられなくなりました。

 その後、祖父を訪れるために、母とともにアウクスブルクへ旅に出ます。
 この旅は、彼の詩人としての感性を、少しずつ目覚めさせていきます。

 そして、旅の終わりに、ハインリヒが会った少女は…
 なんと、かつて夢で見た青い花の乙女に、そっくりだったのです。

 この物語自体が、まるでひとつの夢のようです。
 最後は、良いところでぷっつりと、夢のように終わってしまうし。 

 私にとって、印象深かった箇所は、第Ⅰ部の第五章。
 老坑夫に連れられ、ハインリヒが、洞窟を探検した場面です。

 その洞窟は、太古の獣たちの骨が散らばる、時空を超えた世界です。
 この洞窟の奥で、ひとりの不思議な隠者に出会いました。

 その隠者が持っていた異国の本に、ハインリヒは驚きました。
 そこには、ハインリヒの、過去と現在と未来が、描かれていたのでした!

 さて、作者ノヴァーリスは、ドイツロマン派の始祖と言われています。
 しかし、29歳で夭逝したために作品は少なく、この代表作も未完です。

 巻末の遺稿によると、壮大な展望があったことがうかがえます。
 未完に終わってしまったことが、本当に惜しい。

 さいごに。(両親のヨーロッパ旅行)

 今年、父が77歳、母が70歳。
 記念に2人で、ヨーロッパ旅行に出かけました。初めての海外です。

 フランス、スイス、ドイツの3国を巡る充実プランです。
 昨日、モンサンミシェル。今日はパリ。そして明日は、マッターホルン。
 ドイツロマンチック街道も、もちろん入っています。すばらしい!

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