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フィレンツェ

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 「フィレンツェ」 高階秀爾(たかしなしゅうじ) (中公新書)


 15世紀におけるフィレンツェ美術の黄金時代を、分りやすく解説した本です。
 著者の高階氏は、西洋美術の大御所です。

 文庫本ではありません。中公新書です。
 1966年に出て、現在もロングセラー継続中。


フィレンツェ―初期ルネサンス美術の運命 (中公新書 (118))

フィレンツェ―初期ルネサンス美術の運命 (中公新書 (118))

  • 作者: 高階 秀爾
  • 出版社/メーカー: 中央公論新社
  • 発売日: 1966/11
  • メディア: 新書



 15世紀の初頭、フィレンツェから、ブルネレスキやドナテルロなどが出ました。
 やがて、ボッティチェルリ、ダ・ヴィンチ、ミケランジェロなども活躍し始めます。

 こうして、フィレンツェ美術は、他国に先駆けて黄金時代を迎えました。
 にもかかわらず、その世紀の終りには、あっけなく衰退していたのです。

 フィレンツェは、なぜルネサンス美術の栄光を、手に入れられなかったのか?
 この謎に焦点を当てて、解説したのが本書です。

 副題は、「初期ルネサンス美術の運命」。
 とても分かりやすくまとめられています。

 ひとつだけ難点を言えば、歴史の流れと美術の流れが分けられている所です。
 私としては、歴史の流れの中で、美術の流れを示してほしかったです。

 ところで、私にフィレンツェブームが来たのは、2年ほど前のこと。
 当時、マキャベリとチェーザレに、はまっていました。
 「わが友マキアヴェッリ」 → http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2011-08-09
 「昔も今も」 → http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2011-07-12
 「チェーザレ・ボルジア」 →  http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2011-07-16

 その後、「前世への冒険」で、フィレンツェブームが決定的となりました。
 そういえば、本書「フィレンツェ」には、デジデリオの記述もありました。
 「前世への冒険」 →  http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2012-08-17

 さて、高階氏の著作に初めて接したのは、大学時代です。
 岩波新書の「名画を見る眼」(正・続)を、学生協の購買で買いました。

 絵画に目覚め始めた私に、その鑑賞の仕方を分かりやすく教えてくれた本です。
 当時480円だったこの本が、735円となった今も、ロングセラーを続けています。


名画を見る眼 (岩波新書)

名画を見る眼 (岩波新書)

  • 作者: 高階 秀爾
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 1969/10/20
  • メディア: 新書



 さいごに。(家族旅行)

 山梨の三景園というキャンプ場の、バンガローに2泊しました。
 武川の川遊び場に近くて、甲斐駒ケ岳が見える、すばらしいキャンプ場です。
 敷地内はきれいで、スタッフの方は親切でした。オススメです。
 三景園 → http://sankeien-camp.com/guide/index.html
 
 3日間、家族3人、いろんな場所で川遊びをしました。楽しかった!
 これが、我が家の、この夏(今年?)最大のイベントでした。

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