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オレたち花のバブル組

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 「オレたち花のバブル組」 池井戸潤 (文春文庫)


 本社営業二部の次長に昇進した「半沢直樹」の活躍を描いた傑作です。
 「オレたちバブル入行組」に続く「半沢直樹」シリーズの第二作です。
 「オレたちバブル入行組」→ http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2013-09-05

 文春文庫から2010年に出て、すでに第26刷。
 圧倒的人気で、現在も売れ続けています。


オレたち花のバブル組 (文春文庫)

オレたち花のバブル組 (文春文庫)

  • 作者: 池井戸 潤
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2010/12/03
  • メディア: 文庫



 東京中央銀行の本社営業二部の半沢直樹。
 頭取じきじきの命令で、伊勢島ホテルを担当することになりました。

 伊勢島ホテルは業績が低迷している上に、巨額の運用損失を出しました。
 しかも、金融庁の検査が入ることに。主任検査官は、悪名高き黒崎。

 半沢は、伊勢島ホテルを守れるか? 黒崎との対決をどう乗り切るか?
 行内にいる内通者は誰か? 黒幕はいったい誰なのか?

 この第二作も、めちゃくちゃ面白かったです。
 そして相変わらず半沢直樹は、めちゃくちゃカッコ良かったです。
 これはハードボイルド小説ですよ。

 さて、私もバブル期に社会に出ました。1990年のことです。
 職種は違いますが、半沢たちバブル組が言っていることは心に沁みます。

 たとえば、P231の渡真利(とまり)のセリフは名言です。
 バブル採用組の思いを、的確に代弁してくれています。

 「バブル時代、見境のないイケイケドンドンの経営戦略で銀行を迷走さ
 せた奴らーーいわゆる『団塊の世代』の奴らにそもそも原因がある。学
 生時代は、全共闘だ革命だとほざきながら、結局資本主義に屈して会社
 に入った途端、考えることはやめちまった腰抜けどもよ。奴らのアホな
 戦略のせいで銀行は不況の長いトンネルにすっぽりと入っちまったって
 いうのに、ろくに責任もとらないどころか、ぬけぬけと巨額の退職金な
 んかをもらってやがる。・・・」

 結末を見て、半沢のその後が、とても気になりました。
 原作は、第3部「ロスジェネの逆襲」が出ています。単行本ですが。
 また、第4部も「週間ダイヤモンド」で連載中だとか。

 さて、ドラマの「半沢直樹」も、実にいいですね。
 前回同様、妻の「花」が、とても良かった。

 ちまたでは、半沢は妻の扱い方がうまいと、話題になっているようです。
 たしかに、半沢はうまい。だがそれ以上に、妻の「花」がかわいい。

 「花」がかわいいから、半沢もああいう扱いができるのだと思う。
 それとも、半沢の扱いがうまいから、「花」がかわいくいられるのか。


ロスジェネの逆襲

ロスジェネの逆襲

  • 作者: 池井戸 潤
  • 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
  • 発売日: 2012/06/29
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)



 さいごに。(新たな賃金カット)

 うちの職場では、今月から新たな賃金カットが行われます。
 ガソリンは160円台。消費税の増税はほぼ決まり。

 景気回復って、いったいどこの国の話?
 本当に回復したら、カット分を『倍返し』してほしい。

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