Quantcast
Channel: 文庫で読む文学全集
Viewing all articles
Browse latest Browse all 714

青春は美わし

$
0
0
 「青春は美(うる)わし」 ヘッセ作 高橋健二訳 (新潮文庫)


 故郷に帰った青年の、恋と別れの物語です。
 ヘッセらしい自伝的な短編小説です。

 新潮文庫から出ています。初版は1954年。訳は少し古いです。
 「ラテン語学校生」という似たような短編を併録しています。


青春は美わし (新潮文庫)

青春は美わし (新潮文庫)

  • 作者: ヘルマン ヘッセ
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 1954/10/27
  • メディア: 文庫



 ヘッセとカロッサは、似たものどうし。
 どちらも20世紀初めのドイツ作家で、自伝的な小説を多く書いています。

 「青春は美わし」は、むかし恋した少女と再会して別れたというだけの話。
 若い頃にこれを読んだときは、「だから何?」と思いました。

 しかし自然描写はすばらしい。P37の夜更けの散歩の描写などは実にいい。
 歳をくってから読んでみると、ジーンと胸にしみます。

 筋は単純なのに心が揺さぶられるのは、こういう素敵な描写があるから。
 とてもしんみりした懐かしい味わいのある作品です。

 薄っぺらい本なので、すぐに読めます。荷物にもなりません。
 天気の良い日曜日に、公園のベンチに座って読みたい本です。

 同じく「故郷」と「青春」をテーマにしたヘッセの名作が「郷愁」です。
 「青春は美わし」と、色々な点で通じる部分がある作品です。


郷愁―ペーター・カーメンチント (新潮文庫)

郷愁―ペーター・カーメンチント (新潮文庫)

  • 作者: ヘッセ
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 1956/09/04
  • メディア: 文庫



 さいごに。(ほんとによく遊ぶ)

 日曜日の朝、防災訓練で公園に集まると、子供たちは遊び始めました。
 そして、そのままお昼まで、公園で遊び続けました。

 子供たちは、お昼のあとでまた集合。そのまま5時まで遊んでいました。
 7時間近く、公園で遊んでいたのです。感心してしまいます。

Viewing all articles
Browse latest Browse all 714

Trending Articles