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海辺のカフカ

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 「海辺のカフカ」 村上春樹 (新潮文庫)


 新年、おめでとうございます。
 今年もマイペースでやっていきますが、よろしくおねがいします。

 このブログも、5年目に入っていました。
 1日に約250人が訪問してくださり、約500ページが閲覧されています。
 訪問してくださる皆様、ありがとうございます。とても励みになっています。

 では、「海辺のカフカ」について。

 15歳の少年「田村カフカ」と、不思議な老人ナカタを巡る物語です。
 2002年に出て話題になりました。幻想的な長編小説です。

 2005年に新潮文庫から、上下二分冊で出ました。
 しかしなぜか、私は現在までこの作品を読んでいませんでした。

海辺のカフカ (上) (新潮文庫)

海辺のカフカ (上) (新潮文庫)

  • 作者: 村上 春樹
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2005/02/28
  • メディア: 文庫



 少年は15歳の誕生日をきっかけに、家を捨て、父親を捨て、名前を捨てます。
 「田村カフカ」と名のった少年は、夜行バスに乗って西へ向かいます。 

 四国の高松に着いたカフカ少年は、その地で有名な甲村図書館に行きました。
 そこで、司書の大島さんと出会い、管理人の佐伯さんと出会い・・・

 一方、少年の家の近くには、不思議な老人ナカタさんがいました。
 彼は子供の頃の事故によって、頭が弱くなったかわりに、猫と話せるのです。

 ナカタ老人は、猫たちから情報を集めながら、迷い猫のゴマを探しています。
 しかし、ある事件をきっかけに西へ向かい、そしてやがて高松へ。

 二人はなぜ、高松に吸い寄せられたのか?
 高松には、何があったのか?

 さまざまな謎が謎のまま残されます。
 さまざまな解釈ができる物語です。

 そのため、多くの読者からネットで質問が寄せられました。
 そのやりとりをまとめたのが、「少年カフカ」という単行本。(読んでいません)


少年カフカ

少年カフカ

  • 作者: 村上 春樹
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2003/06/11
  • メディア: 単行本



 また、こんな本も出ています。(こちらも私は読んでいません)


村上春樹論 『海辺のカフカ』を精読する (平凡社新書)

村上春樹論 『海辺のカフカ』を精読する (平凡社新書)

  • 作者: 小森 陽一
  • 出版社/メーカー: 平凡社
  • 発売日: 2006/05/11
  • メディア: 新書



 文句なく面白い小説でした。しかし一方で、軽い失望を感じました。
 それは、必要以上に性描写があることです。
 主人公が20歳なら、それもいいでしょう。しかし15歳の少年です。

 僕とさくらのあの場面は、いらないのではないか?
 ホシノちゃんのあの場面も、いらないのではないか?

 きわめつけは、15の僕と、50以上の佐伯さん。
 いくら熟女ブームだからといっても、そりゃ、ないでしょう。
 もっと違った接触のしかたが、あったはずですよ。

 私見ですが、こういう余分な性描写が、作品の完成度を大きく下げた。
 適切に書き直したら、村上流少年冒険小説の、大傑作になったはずです。

 ということで、あとから振り返ってみると、少し残念な作品でした。
 村上春樹は、「世界の終わりと」の頃までが、断然良かったような気がします。

 さいごに。(10大ニュース)

 おおみそかの昨晩、私と娘は、2013年の10大ニュースを発表しました。
 私の1位は、夏の家族キャンプ。あの3日間は、本当に楽しかった!
 娘の1位は、自分の小学校入学。この1年で、だいぶお姉さんになりました。

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