「海辺のカフカ」 村上春樹 (新潮文庫)
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では、「海辺のカフカ」について。
15歳の少年「田村カフカ」と、不思議な老人ナカタを巡る物語です。
2002年に出て話題になりました。幻想的な長編小説です。
2005年に新潮文庫から、上下二分冊で出ました。
しかしなぜか、私は現在までこの作品を読んでいませんでした。
少年は15歳の誕生日をきっかけに、家を捨て、父親を捨て、名前を捨てます。
「田村カフカ」と名のった少年は、夜行バスに乗って西へ向かいます。
四国の高松に着いたカフカ少年は、その地で有名な甲村図書館に行きました。
そこで、司書の大島さんと出会い、管理人の佐伯さんと出会い・・・
一方、少年の家の近くには、不思議な老人ナカタさんがいました。
彼は子供の頃の事故によって、頭が弱くなったかわりに、猫と話せるのです。
ナカタ老人は、猫たちから情報を集めながら、迷い猫のゴマを探しています。
しかし、ある事件をきっかけに西へ向かい、そしてやがて高松へ。
二人はなぜ、高松に吸い寄せられたのか?
高松には、何があったのか?
さまざまな謎が謎のまま残されます。
さまざまな解釈ができる物語です。
そのため、多くの読者からネットで質問が寄せられました。
そのやりとりをまとめたのが、「少年カフカ」という単行本。(読んでいません)
また、こんな本も出ています。(こちらも私は読んでいません)
文句なく面白い小説でした。しかし一方で、軽い失望を感じました。
それは、必要以上に性描写があることです。
主人公が20歳なら、それもいいでしょう。しかし15歳の少年です。
僕とさくらのあの場面は、いらないのではないか?
ホシノちゃんのあの場面も、いらないのではないか?
きわめつけは、15の僕と、50以上の佐伯さん。
いくら熟女ブームだからといっても、そりゃ、ないでしょう。
もっと違った接触のしかたが、あったはずですよ。
私見ですが、こういう余分な性描写が、作品の完成度を大きく下げた。
適切に書き直したら、村上流少年冒険小説の、大傑作になったはずです。
ということで、あとから振り返ってみると、少し残念な作品でした。
村上春樹は、「世界の終わりと」の頃までが、断然良かったような気がします。
さいごに。(10大ニュース)
おおみそかの昨晩、私と娘は、2013年の10大ニュースを発表しました。
私の1位は、夏の家族キャンプ。あの3日間は、本当に楽しかった!
娘の1位は、自分の小学校入学。この1年で、だいぶお姉さんになりました。