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トム・ソーヤーの冒険

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 「トム・ソーヤーの冒険」 トウェイン作 土屋京子訳 (古典新訳文庫)


 ミシシッピ川のほとりの町を舞台に、少年トムとその仲間たちが繰り広げる物語です。
 少年小説の傑作です。1980年には、世界名作劇場でアニメ版がTV放映されました。

 一昨年2012年に、新潮文庫と古典新訳文庫から、ほぼ同時に新訳が出ました。
 どちらの訳も分かりやすいです。カバーだけ見ると、新潮文庫版を選びたくなります。


トム・ソーヤーの冒険 (新潮文庫)

トム・ソーヤーの冒険 (新潮文庫)

  • 作者: マーク トウェイン
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2012/06/27
  • メディア: 文庫



 私が読んだのは古典新訳文庫版です。
 挿し絵が豊富で、丁寧に作られた本です。作り手の愛情を感じる本です。


トム・ソーヤーの冒険 (光文社古典新訳文庫)

トム・ソーヤーの冒険 (光文社古典新訳文庫)

  • 作者: マーク・トウェイン
  • 出版社/メーカー: 光文社
  • 発売日: 2012/06/12
  • メディア: 文庫



 舞台は、セントピーターズバーグ。ミシシッピ川のほとりの小さな町です。
 主人公は、トム・ソーヤー。12歳ぐらいの、いたずら盛りの腕白少年です。

 トムの親友は、ジョー・ハーパー。それから、浮浪児のハックルベリー・フィン。
 そして、判事の娘バッキー・サッチャー。彼ら4人を中心に物語は展開します。

 ストーリーは、「トム・ソーヤーの物語」といえば充分でしょう。
 子どものころ、トム・ソーヤーは我々の憧れでした。

 家出して海賊ごっこをしたり、墓場で殺人に遭遇したり、幽霊屋敷に忍びこんだり、
 悪党の悪事を暴いたり、洞窟に迷い込んで探検したり、最後には宝を手に入れたり。

 今回、子どもの頃に返って、ワクワクしながら読みました。
 この本には、子どもの頃の夢が、いっぱい詰まっています。

 豊富な挿し絵が、物語を盛り上げてくれます。
 これらは、アメリカの初版本の挿し絵で、当時の雰囲気がよく伝わってきます。

 ただし、トムの姿に笑ってしまう。顔がおじさんなのです。
 特に、P501の扉絵のトムが傑作。まるで、白雪姫の七人の小人なのです! 

 ところで、この作品は、アメリカではインテリの読む本なのだそうです。
 文体が知的で格調高いのだそうです。この訳は、案外さらっと読めましたが。

 さて、「トム」を読んだら、次に「ハック」を読みたくなります。
 「ハックルベリー・フィンの冒険」は、少年小説の枠を超えて米文学の名作です。

 「ハック」は、新潮文庫や角川文庫や岩波文庫から出ています。
 おそらく古典新訳文庫からも、今後新訳が出るはず。それを待つべきか?


ハックルベリー・フィンの冒険〈上〉 (岩波文庫)

ハックルベリー・フィンの冒険〈上〉 (岩波文庫)

  • 作者: マーク トウェイン
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 1977/08/16
  • メディア: 文庫



 さいごに。(屈辱の口内炎)

 先日、ケーキバイキングのケーキを、半分しか食べられなくて屈辱を感じました。
 その翌日から口内炎ができて、更なる屈辱を味わっています。

 「ケーキバイキングで口内炎なんて、男としてだめだよな」とつぶやいたところ、
 「ケーキバイキングに行っている時点で、男としてだめだよ」と妻に言われました。

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