「トム・ソーヤーの冒険」 トウェイン作 土屋京子訳 (古典新訳文庫)
ミシシッピ川のほとりの町を舞台に、少年トムとその仲間たちが繰り広げる物語です。
少年小説の傑作です。1980年には、世界名作劇場でアニメ版がTV放映されました。
一昨年2012年に、新潮文庫と古典新訳文庫から、ほぼ同時に新訳が出ました。
どちらの訳も分かりやすいです。カバーだけ見ると、新潮文庫版を選びたくなります。
私が読んだのは古典新訳文庫版です。
挿し絵が豊富で、丁寧に作られた本です。作り手の愛情を感じる本です。
舞台は、セントピーターズバーグ。ミシシッピ川のほとりの小さな町です。
主人公は、トム・ソーヤー。12歳ぐらいの、いたずら盛りの腕白少年です。
トムの親友は、ジョー・ハーパー。それから、浮浪児のハックルベリー・フィン。
そして、判事の娘バッキー・サッチャー。彼ら4人を中心に物語は展開します。
ストーリーは、「トム・ソーヤーの物語」といえば充分でしょう。
子どものころ、トム・ソーヤーは我々の憧れでした。
家出して海賊ごっこをしたり、墓場で殺人に遭遇したり、幽霊屋敷に忍びこんだり、
悪党の悪事を暴いたり、洞窟に迷い込んで探検したり、最後には宝を手に入れたり。
今回、子どもの頃に返って、ワクワクしながら読みました。
この本には、子どもの頃の夢が、いっぱい詰まっています。
豊富な挿し絵が、物語を盛り上げてくれます。
これらは、アメリカの初版本の挿し絵で、当時の雰囲気がよく伝わってきます。
ただし、トムの姿に笑ってしまう。顔がおじさんなのです。
特に、P501の扉絵のトムが傑作。まるで、白雪姫の七人の小人なのです!
ところで、この作品は、アメリカではインテリの読む本なのだそうです。
文体が知的で格調高いのだそうです。この訳は、案外さらっと読めましたが。
さて、「トム」を読んだら、次に「ハック」を読みたくなります。
「ハックルベリー・フィンの冒険」は、少年小説の枠を超えて米文学の名作です。
「ハック」は、新潮文庫や角川文庫や岩波文庫から出ています。
おそらく古典新訳文庫からも、今後新訳が出るはず。それを待つべきか?
さいごに。(屈辱の口内炎)
先日、ケーキバイキングのケーキを、半分しか食べられなくて屈辱を感じました。
その翌日から口内炎ができて、更なる屈辱を味わっています。
「ケーキバイキングで口内炎なんて、男としてだめだよな」とつぶやいたところ、
「ケーキバイキングに行っている時点で、男としてだめだよ」と妻に言われました。