「1ドルの価値・賢者の贈り物」 O・ヘンリー作 芹澤恵訳 (古典新訳文庫)
やさしくあたたかく、そしてちょっとひねりのきいたO・ヘンリーの作品集です。
「賢者の贈り物」「最後の一葉」などは、日本でもおなじみの傑作です。
古典新訳文庫版が、最も新しい訳です。読みやすいので、オススメです。
ほか、岩波文庫版、新潮文庫版(全3巻)もあります。

1ドルの価値/賢者の贈り物 他21編 (光文社古典新訳文庫)
- 作者: O・ヘンリー
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2007/10/11
- メディア: 文庫
初めてO・ヘンリーと出会ったのは、小学校の国語で学習した「最後の一葉」。
肺炎の女絵描きは言いました。最後の一枚の葉が落ちたら、私も死ぬのだと。
しかし、その葉は、なぜかいつまでも落ちることなく・・・
もちろん、小学生用に書かれた縮約版です。
しかし、小学生ながらとても感動して、忘れられませんでした。
次にO・ヘンリーと出会ったのは、中学校の英語で学習した「二十年後」。
20年ぶりの再会の約束を信じて、旧友を待つ男。
しかし、やってきた旧友の顔には、見覚えがなくて・・・
この物語の結末に驚き感動した私は、新潮文庫版を買って読みました。
ところが、難しくて、すぐに挫折。今思うと、縮約版で読めばよかった。
古典新訳文庫版には、O・ヘンリーの傑作が、全23編収められています。
ちょっと面白い話、あっと驚く話、胸にジーンとくる話など、さまざまです。
中でもイチオシは、「千ドル」です。
ある放蕩者の青年に、大金持ちの叔父が、千ドルの遺産を残してくれました。
彼にとっては中途半端な金額です。しかも明細を報告しろという。
そこで、青年はその金をどのように使ったか?
そして、あっと驚く感動の結末!
また、「甦った改心」もすばらしい。
ある金庫破りが改心して、まともに暮らし始めます。
しかし、幸せを手中にしたそのとき、ある事件によって・・・
上の2作に共通する要素として、自己犠牲があります。
O・ヘンリーの登場人物たちは時々、愛する者のためにすべてを差し出します。
そういう物語の代表的な例が、「賢者の贈り物」でしょう。
妻が、自分の最も大切なものと引き換えに、夫のために買ったものは・・・
夫が、自分の最も大切なものと引き換えに、妻のために買ったものは・・・
心にしみる物語です。何度読んでも感動します。
これは、永遠に残るクリスマスストーリーです。
さいごに。(守護霊って?)
「ハリ・ポタ」で、「エクスペクト・パトローナム」という呪文が出てきます。
守護霊を出現させる呪文です。娘に守護霊の説明をするのは、たいへんでした。
「私の守護霊は何?」と聞くので、「自分で決めていいんだよ」と教えました。
「パパの守護霊は何?」と聞くので、「レッサーパンダだよ」と言っておきました。