「シートン動物記 狼王ロボ」 シートン作 藤原英司訳 (集英社文庫)
「狼王ロボ」「灰色グマワーブ」など、児童小説としておなじみの動物物語集です。
シートンは、作家としてはもちろん、画家として、博物学者としても活躍しました。
集英社文庫から出ています。訳はとても分かりやすいので、オススメです。
所々に、シートン自身による挿絵が入っていて、嬉しいです。全3巻です。

狼王ロボ シートン動物記 (シートン動物記) (集英社文庫)
- 作者: アーネスト・T・シートン
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2008/06/26
- メディア: 文庫
「狼王ロボ」は、コランポーで暴虐の限りを尽くしていた、狼のロボの物語です。
ロボは王様と呼ばれ、その首には千ドルもの賞金が掛けられていました。
あるときシートンは、友人に頼まれて、ロボの捕獲に乗り出しますが・・・
ロボを罠に掛けたときの、シートンの気持ちは複雑でした・・・
「狼王ロボ」は、シートンの実際の体験をもとに描かれた傑作です。
臨場感があります。ロボの写真も挿入されていて、興味深いです。
「灰色グマの伝記」は、伝説的な灰色グマのワーブの物語です。
シートンが山男たちから聞いた話で、これもまたよく知られた物語です。
私は小学校のときこの物語を読んで、ワーブに完全に感情移入しました。
最後は、ワーブがかわいそうで、かわいそうで・・・
シートンの作品からは、人間の文明に対する批判が感じられます。
銃や罠などを使い、野生を追い詰めていくことに対する反省が感じられます。
それが最もよく表れているのが、「サンドヒルの雄ジカ」です。
主人公のヤンは、たびたび自分の狩猟に対して、疑問を抱きます。
「輝くばかりの美しさに包まれた生き物を、死の苦しみにもだえさせ、
あげくのはてに、このようなみにくい腐肉の塊に変えることが、
自分のほんとうの目的だったのだろうか。」(P236)
この物語のラストは、感動的でした。
そして、いろいろと考えさせられました。
さて、集英社文庫から、シートン動物記は、全3巻で出ています。
私が読んだのは、「ロボ」と「ワーブ」が収録されている「狼王ロボ」だけ。
というのも、「シートン動物記」は、昔、絵本で読んだ時の感動が強すぎるから。
図書館で借りてきて、娘と一緒に読みたいです。

絵本版シートン動物記 おおかみ王ロボ (シートン動物記 絵本版)
- 作者: 小林 清之介
- 出版社/メーカー: ひさかたチャイルド
- 発売日: 2009/02/01
- メディア: 大型本
さいごに。(今年のサッカーは1回戦で終了)
毎年恒例の、職場のサッカー大会は、今年からトーナメント制になりました。
われらのチームは1回戦0-4で負けて、あっさり1回戦で敗退。
他の選手の代わりに、初めてディフェンスをやりましたが、良いところ無し。
走れば転ぶし、起き上がればまた転ぶし・・・