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思い出のマーニー

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 「思い出のマーニー」 ジョーン・ロビンソン作 高見浩訳 (新潮文庫)


 心を閉ざすアンナが、湿地帯の屋敷のマーニーと出会い、成長する物語です。
 1967年の作品ですが、2014年にジブリによって映画化され話題になりました。

 新潮文庫から高見訳が、角川文庫から越前訳が出ています。どちらも新訳。
 私は新潮文庫で読みました。ヘミングウェイの高見訳が分かり易かったので。


思い出のマーニー (新潮文庫)

思い出のマーニー (新潮文庫)

  • 作者: ジョーン・G. ロビンソン
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2014/06/27
  • メディア: 文庫



新訳 思い出のマーニー (角川文庫)

新訳 思い出のマーニー (角川文庫)

  • 作者: ジョーン・G・ロビンソン
  • 出版社/メーカー: KADOKAWA/角川書店
  • 発売日: 2014/07/10
  • メディア: 文庫



 アンナは喘息の発作が出たため、静養のために海辺の田舎町へ行きました。
 しかしアンナにとって問題は、喘息よりも心を閉ざしてしまっていることです。

 パーティーが楽しいのは内側にいる人間だけ。魔法の輪の内側にいる人間だけ。
 その点アンナは外側の人間だから、そういう楽しみとは無関係だと感じています。

 ところが、海辺の湿地帯で出会ったマーニーとは、すぐに親しくなり・・・
 アンナは初めて得た親友マーニーと、交流を重ねていくが・・・

 マーニーは何者なのか? 本当に実在する人間なのか?
 どうしてマーニーは消えてしまうのか? アンナに何が起こっていたのか?

 私はTV放映されたジブリの映画を見て、興味が湧いて本を手に取りました。
 映画はすばらしかったけど、原作はさらに感動的でした。

 原作を読んで理解できたことも多いです。たとえばマーニーについて。
 映画を見たあと、娘と一緒に考えましたが、よく分かりませんでした。

 しかし、原作では終盤で、かなりはっきりとその謎解きをしています。
 また、タイトルの「思い出の」という語句が、答えを暗示しています。

 ところで、これと似た物語に、ピアスの「トムは真夜中の庭で」があります。
 この作品も児童文学の傑作。オススメです。
 → http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2011-11-21

 さいごに。(アクア・トト)

 先日の岐阜旅行で立ち寄った「アクア・トト・ぎふ」は充実していました。
 淡水魚の水族館で、世界中の珍しい淡水魚が、予想以上にたくさんいました。

DSCF1789-2.jpg

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