「思い出のマーニー」 ジョーン・ロビンソン作 高見浩訳 (新潮文庫)
心を閉ざすアンナが、湿地帯の屋敷のマーニーと出会い、成長する物語です。
1967年の作品ですが、2014年にジブリによって映画化され話題になりました。
新潮文庫から高見訳が、角川文庫から越前訳が出ています。どちらも新訳。
私は新潮文庫で読みました。ヘミングウェイの高見訳が分かり易かったので。
アンナは喘息の発作が出たため、静養のために海辺の田舎町へ行きました。
しかしアンナにとって問題は、喘息よりも心を閉ざしてしまっていることです。
パーティーが楽しいのは内側にいる人間だけ。魔法の輪の内側にいる人間だけ。
その点アンナは外側の人間だから、そういう楽しみとは無関係だと感じています。
ところが、海辺の湿地帯で出会ったマーニーとは、すぐに親しくなり・・・
アンナは初めて得た親友マーニーと、交流を重ねていくが・・・
マーニーは何者なのか? 本当に実在する人間なのか?
どうしてマーニーは消えてしまうのか? アンナに何が起こっていたのか?
私はTV放映されたジブリの映画を見て、興味が湧いて本を手に取りました。
映画はすばらしかったけど、原作はさらに感動的でした。
原作を読んで理解できたことも多いです。たとえばマーニーについて。
映画を見たあと、娘と一緒に考えましたが、よく分かりませんでした。
しかし、原作では終盤で、かなりはっきりとその謎解きをしています。
また、タイトルの「思い出の」という語句が、答えを暗示しています。
ところで、これと似た物語に、ピアスの「トムは真夜中の庭で」があります。
この作品も児童文学の傑作。オススメです。
→ http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2011-11-21
さいごに。(アクア・トト)
先日の岐阜旅行で立ち寄った「アクア・トト・ぎふ」は充実していました。
淡水魚の水族館で、世界中の珍しい淡水魚が、予想以上にたくさんいました。
