「流星ワゴン」 重松清 (講談社文庫)
人生に絶望した父親が、不思議なワゴン車に乗せられ、人生を再体験する物語です。
2002年度「本の雑誌」年間ベスト1に輝いた傑作で、重松を代表する長編小説です。
2002年に単行本で出て、2005年に文庫化されました。
全27章。1章が20ページ足らずなので読みやすいです。
家庭は崩壊し、会社ではリストラされ、一雄は人生に絶望していました。
バス乗り場のベンチに座り、「もう死んだっていいや」と思っています。
するとそこへ、ワインカラーのワゴン車がやって来て、ドアが開きました。
ワゴン車の橋本親子が、一雄を連れて行ったのは、1年前のある場所で・・ ・
一雄は、過去をやり直すことによって何を学ぶのか?
一雄は、現実を変えることができるのだろうか?
涙なしには読めない感動作です。特に悩める父親たちにとっては。
こんなワゴン車に巡りあいたい、と思う人は多いはずです。
「ふつうに眺めてるときには、ただばらばらに散らばってるだけの星だったのに、
つなげ方を知ると、確かにこの星とあの星がつながって、こんな形になってるんだ
とわかるんですよ。(中略)ひとの人生も同じだと思うんですよ。」(P124)
ひょっとしたら、ばらばらに見える過去の場面も、何か意味があるのではないか?
ひょっとしたら、あの過去の一場面に、人生を左右する意味があったのではないか?
読 み終わったあと、さまざまなことを考えたくなる作品です。
私は、人生の大きな分かれ道を、知らず知らず通過してしまったのではないか?
さて、作者の重松清には、多くの名作があります。
直木賞を取った短編集「ビタミンF」は、ぜひ読んでおきたいです。
「カラフル」は、「流星ワゴン」と同じく、人生のやり直しをテーマにした小説です。
こちらは少年目線で描かれています。作者は児童文学作家の森絵都です。
さいごに。(かのがわリレーラン)
沼津の「かのがわview-lineリレー・ラン」という大会に出ました。
ローカルな大会で、参加費が安く、参加チームが少ないのが良いです。
狩野川に沿って、富士山を眺めながら、のんびりと走りました。
我がチームはびり3で、私の周りにはほとんど選手がいなかったです。
