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負け犬の遠吠え

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 「負け犬の遠吠え」 酒井順子 (講談社文庫)


 負け犬を自覚する著者が、負け犬について言いたい放題言ったエッセイです。
 2004年に負け犬ブームを巻き起こした、酒井順子の代表作です。

 講談社文庫から出ています。カバーが秀逸です。
 歯切れのよい文章のため、読んでいて楽しいです。


負け犬の遠吠え (講談社文庫)

負け犬の遠吠え (講談社文庫)

  • 作者: 酒井 順子
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2006/10/14
  • メディア: 文庫



 酒井いわく、負け犬とは「未婚、子ナシ、三十代以上の女性のこと」。
 本書は、「負け犬」である著者が「負け犬」について論じた作品です。

 「負け犬と年齢」「負け犬と少子化」「負け犬と老後」「負け犬と金/仕事」
 「負け犬と恋愛/結婚」「負け犬と家族」「負け犬とファッション」などなど。

 中でも「結婚」「友情」「家族」など、人間関係を論じた部分が面白かった。
 「三十二歳くらいまではまだ、見合い相手は『人間』だったのよ。・・・」

 もちろん、著者の酒井は、一般的な意味で「負け犬」なんかではありません。
 だから、シャレになっています。どれもこれも、読んでとても面白いです。

 先日、某校長が「子どもを2人以上産むこと」と言って、批判されました。
 校長だからマズかった。酒井が言ったら、もう少し反応が違ったでしょう。

 この作品には、皮肉や毒舌が詰まっていますが、不思議と腹が立ちません。
 他人の批判よりも自虐の方が多く、しかしとことん明るいからだと思います。

 さて、「負け犬と住居」の項では、負け犬友だちの鷺沢萠が登場します。
 負け犬同士、老後は一緒に暮らそう、みたいなことを酒井と言ってます。

 あれは、鷺沢萠の方が、「負け犬の遠吠え」に書いてくれと頼んだらしい。
 結局、鷺沢は亡くなり、同居の夢は無くなりました。残念。

 ところで、「ブリジット・ジョーンズの日記」がちょっと気になります。
 酒井によると、これは全世界共通の負け犬言語で書かれた負け犬文学だという。


ブリジット・ジョーンズの日記 [DVD]

ブリジット・ジョーンズの日記 [DVD]

  • 出版社/メーカー: ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
  • メディア: DVD



 酒井順子は、ほかにも「少子」など、話題になったエッセイがあります。
 個人的には、「枕草子REMIX」「徒然草REMIX」が気になっています。


少子 (講談社文庫)

少子 (講談社文庫)

  • 作者: 酒井 順子
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2003/12
  • メディア: 文庫



枕草子REMIX (新潮文庫)

枕草子REMIX (新潮文庫)

  • 作者: 酒井 順子
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2007/01/30
  • メディア: ペーパーバック



徒然草REMIX (新潮文庫)

徒然草REMIX (新潮文庫)

  • 作者: 酒井 順子
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2014/09/27
  • メディア: 文庫



 さいごに。(バレエ発表会)

 娘のバレエ教室の2年ぶりの発表会がありました。今回は「フルートダンス」。
 2回目なので、当然ながら、前回の発表に比べて格段の進歩をしていました。

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