「負け犬の遠吠え」 酒井順子 (講談社文庫)
負け犬を自覚する著者が、負け犬について言いたい放題言ったエッセイです。
2004年に負け犬ブームを巻き起こした、酒井順子の代表作です。
講談社文庫から出ています。カバーが秀逸です。
歯切れのよい文章のため、読んでいて楽しいです。
酒井いわく、負け犬とは「未婚、子ナシ、三十代以上の女性のこと」。
本書は、「負け犬」である著者が「負け犬」について論じた作品です。
「負け犬と年齢」「負け犬と少子化」「負け犬と老後」「負け犬と金/仕事」
「負け犬と恋愛/結婚」「負け犬と家族」「負け犬とファッション」などなど。
中でも「結婚」「友情」「家族」など、人間関係を論じた部分が面白かった。
「三十二歳くらいまではまだ、見合い相手は『人間』だったのよ。・・・」
もちろん、著者の酒井は、一般的な意味で「負け犬」なんかではありません。
だから、シャレになっています。どれもこれも、読んでとても面白いです。
先日、某校長が「子どもを2人以上産むこと」と言って、批判されました。
校長だからマズかった。酒井が言ったら、もう少し反応が違ったでしょう。
この作品には、皮肉や毒舌が詰まっていますが、不思議と腹が立ちません。
他人の批判よりも自虐の方が多く、しかしとことん明るいからだと思います。
さて、「負け犬と住居」の項では、負け犬友だちの鷺沢萠が登場します。
負け犬同士、老後は一緒に暮らそう、みたいなことを酒井と言ってます。
あれは、鷺沢萠の方が、「負け犬の遠吠え」に書いてくれと頼んだらしい。
結局、鷺沢は亡くなり、同居の夢は無くなりました。残念。
ところで、「ブリジット・ジョーンズの日記」がちょっと気になります。
酒井によると、これは全世界共通の負け犬言語で書かれた負け犬文学だという。
酒井順子は、ほかにも「少子」など、話題になったエッセイがあります。
個人的には、「枕草子REMIX」「徒然草REMIX」が気になっています。
さいごに。(バレエ発表会)
娘のバレエ教室の2年ぶりの発表会がありました。今回は「フルートダンス」。
2回目なので、当然ながら、前回の発表に比べて格段の進歩をしていました。