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バガヴァッド・ギーター

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 「バガヴァッド・ギーター」 上村(かみむら)勝彦訳 (岩波文庫)


 勇者アルジュナに、最高神の化身クリシュナが、様々な教えを説く物語です。
 「マハーラーバタ」の一部であり、ヒンドゥー教の最も重要な聖典です。

 岩波文庫から出ています。訳は比較的新しくて、分かりやすいです。
 内容が難解なので、訳者の解説本などを同時に読むことをオススメします。


バガヴァッド・ギーター (岩波文庫)

バガヴァッド・ギーター (岩波文庫)

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 1992/03/16
  • メディア: 文庫



バガヴァッド・ギーターの世界―ヒンドゥー教の救済 (ちくま学芸文庫)

バガヴァッド・ギーターの世界―ヒンドゥー教の救済 (ちくま学芸文庫)

  • 作者: 上村 勝彦
  • 出版社/メーカー: 筑摩書房
  • 発売日: 2007/07
  • メディア: 文庫



 まえがきに、「マハーバーラタ」のあらすじが書いてあります。
 が、話が込み入っているので、私は読んでいて頭がクラクラしてきました。

 しかし本編が始まると、さらに頭がクラクラしてきます。
 最高神の化身であるクリシュナの言うことが、途方もないことなので。

 「私は決して存在しなかったことはない。あなたも、ここにいる王たちも・・・。
 また我々はすべて、これから先、存在しなくなることもない。」(不生不滅)

 「人が古い衣服を着て、新しい衣服を着るように、主体は古い身体を捨て、他の
 新しい身体に行く。」(輪廻転生)

 クリシュナが語り始める第2章だけでも、このような言葉がポンポン出てきます。
 解説書を読まなければ、その内容がなかなか理解できません。

 「自己こそ自己の友である。自己こそ自己の敵である。」なんて言われてもねえ。
 「私は不死であり死である。有であり非有である。」なんて言われてもねえ・・・

 幸い訳者である上村勝彦が、「バガヴァッド・ギーターの世界」を書いています。
 私は一章ずつ、本文とこの解説書を交互に見ながら、ゆっくりと読み進めました。

 上村の解説書は、仏教と比較しながらとても分かりやすく書かれています。
 理解できない所があっても、繰り返し説明されているので、次第に分かってきます。

 「ギーター」のクライマックスは、クリシュナがその姿を見せる第11章でしょう。
 「見よ。幾百、幾千と、神聖にして多様なる私の姿を。様々の色や形を持つ姿を。」

 「神の中の神の身体において、全世界が一堂に会し、また多様に分かれている・・・」
 神は全てを含み、全てに含まれる・・・これぞ、インド哲学。

 ただし正直に言って、解説を読んでも分からないことが、たくさんありました。
 「ヨーガ」という言葉は含みが多すぎて、最後までイメージが定まりませんでした。

 さて、「マハーバーラタ」には、「シャクンタラー姫」の物語があります。
 グプタ朝時代の詩人カーリダーサの作で、サンスクリット文学の傑作です。


シャクンタラー姫 (岩波文庫 赤 64-1)

シャクンタラー姫 (岩波文庫 赤 64-1)

  • 作者: カーリダーサ
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 1977/08/16
  • メディア: 文庫



 さいごに。(娘に帰るメール)

 帰りが遅くなることが多くなったので、最近は妻にメールをしても返信がありません。
 娘に帰るメールしてみると、もの珍しさからか、ちゃんと返信してくれて嬉しいです。

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