「ソークラテースの思い出」 クセノフォーン著 佐々木理訳 (岩波文庫)
クセノフォンが、師であるソクラテスの姿を、目にうつるがままに伝えたものです。
ソクラテスの死後まもなく書かれた追想記で、当時の貴重な資料です。
岩波文庫から出ています。初版は1953年です。詳細な注釈と索引が付いています。
冒頭の「まえおき」が解説の役割を果たしています。丁寧に作られた本です。
前399年、ソクラテスはあの有名な裁判によって、毒杯を仰いで死にました。
訴状は、「国家の認める神を信奉せず」「青年を腐敗させた」ということでした。
そのとき著者クセノフォンは、小アジアでキュロス軍を率いていました。
その後スパルタに亡命し、ソクラテスの生前の姿を書き綴りました・・・
「一体いかなる言葉を用いて、ソークラテースを告発した人々は、彼が国家に対して
死罪を犯していると、アテーナイの市民に納得させたのか、私は一度ならず不思議に
思った。」(冒頭)
神を敬い、青年を正しく導き、友を助け、正義を重んじ、善を愛したソクラテス!
クセノフォンは、ソクラテスの処刑に抗議するために、この追想記を残したようです。
エピソード集のような形態で、ソクラテスと様々な人とのやり取りが書かれています。
プラトンの著作と違い、短い対話がたくさん集められているため、読みやすいです。
アテナイを気ままにぶらついているような、生のままのソクラテスを感じ取れます。
最後の第四巻のエウテュデーモンとの対話では、彼の問答の仕方がよく分かります。
嘘をつくのは正しくないことだ、と言うと、では戦争で敵を欺くときはどうか、とか、
薬をいやがる子供にこれは食べ物だよと偽るのはどうかとか、とてもねちっこいです。
ソクラテスが多くの人々と対話を楽しんでい様子が、とてもよく分かる一方で、
侮辱されたと感じて怒り出す人々の気持ちも、とてもよく分かりました。
時にはテオドテーという絶世の美女と、おしゃべりもします。(第三巻第11章)
要するに彼女と友達になりたかったようなのですが、彼の一面が見られて楽しいです。
もちろん、アルキビアデスも登場します。(第一巻第2章)
この問題児も、ソクラテスと共に生活しているときは、思慮分別を持っていたとか。
最も印象的だったのは、賢者プロディコスによる「ヘラクレス論」なるものです。
ヘラクレスが成人したとき、二人の婦人が現れて言うことは・・・(第二巻第1章)
ところで、ソクラテス以上に興味深いのが、著者のクセノフォーンです。
彼は軍人で、師ソクラテスが止めるのも聞かず、キュロス軍に参加しました。
キュロスの反乱における脱出行を記したのが、もう一つの名著「アナバシス」です。
「アナバシス」もまた、岩波文庫から出ています。
さいごに。(My Yahoo! 終了騒動)
愛用していたMy Yahoo! が、9月29日でサービス終了になるそうです。
Yahoo!メールは、My Yahoo!の一部だと思っていたので、私はとても焦りました。
慌ててGメールのアカウントを取得し、My Yahoo!からの移行を進めてしまった!
ところが、Yahoo!メールは無くならないというではないか。あーあ・・・
クセノフォンが、師であるソクラテスの姿を、目にうつるがままに伝えたものです。
ソクラテスの死後まもなく書かれた追想記で、当時の貴重な資料です。
岩波文庫から出ています。初版は1953年です。詳細な注釈と索引が付いています。
冒頭の「まえおき」が解説の役割を果たしています。丁寧に作られた本です。
前399年、ソクラテスはあの有名な裁判によって、毒杯を仰いで死にました。
訴状は、「国家の認める神を信奉せず」「青年を腐敗させた」ということでした。
そのとき著者クセノフォンは、小アジアでキュロス軍を率いていました。
その後スパルタに亡命し、ソクラテスの生前の姿を書き綴りました・・・
「一体いかなる言葉を用いて、ソークラテースを告発した人々は、彼が国家に対して
死罪を犯していると、アテーナイの市民に納得させたのか、私は一度ならず不思議に
思った。」(冒頭)
神を敬い、青年を正しく導き、友を助け、正義を重んじ、善を愛したソクラテス!
クセノフォンは、ソクラテスの処刑に抗議するために、この追想記を残したようです。
エピソード集のような形態で、ソクラテスと様々な人とのやり取りが書かれています。
プラトンの著作と違い、短い対話がたくさん集められているため、読みやすいです。
アテナイを気ままにぶらついているような、生のままのソクラテスを感じ取れます。
最後の第四巻のエウテュデーモンとの対話では、彼の問答の仕方がよく分かります。
嘘をつくのは正しくないことだ、と言うと、では戦争で敵を欺くときはどうか、とか、
薬をいやがる子供にこれは食べ物だよと偽るのはどうかとか、とてもねちっこいです。
ソクラテスが多くの人々と対話を楽しんでい様子が、とてもよく分かる一方で、
侮辱されたと感じて怒り出す人々の気持ちも、とてもよく分かりました。
時にはテオドテーという絶世の美女と、おしゃべりもします。(第三巻第11章)
要するに彼女と友達になりたかったようなのですが、彼の一面が見られて楽しいです。
もちろん、アルキビアデスも登場します。(第一巻第2章)
この問題児も、ソクラテスと共に生活しているときは、思慮分別を持っていたとか。
最も印象的だったのは、賢者プロディコスによる「ヘラクレス論」なるものです。
ヘラクレスが成人したとき、二人の婦人が現れて言うことは・・・(第二巻第1章)
ところで、ソクラテス以上に興味深いのが、著者のクセノフォーンです。
彼は軍人で、師ソクラテスが止めるのも聞かず、キュロス軍に参加しました。
キュロスの反乱における脱出行を記したのが、もう一つの名著「アナバシス」です。
「アナバシス」もまた、岩波文庫から出ています。
さいごに。(My Yahoo! 終了騒動)
愛用していたMy Yahoo! が、9月29日でサービス終了になるそうです。
Yahoo!メールは、My Yahoo!の一部だと思っていたので、私はとても焦りました。
慌ててGメールのアカウントを取得し、My Yahoo!からの移行を進めてしまった!
ところが、Yahoo!メールは無くならないというではないか。あーあ・・・