「紅い花 他四篇」 ガルシン作 神西(じんざい)清訳 (岩波文庫)
「紅い花」は、悪の象徴であるケシの花を摘み取り、滅んでゆく狂人の物語です。
精神を病み、三十三歳で自殺したガルシンの、代表作です。
現在、岩波文庫で読むことができます。
初版は1937年と古いのですが、神西氏の訳は、とても分かりやすかったです。
精神病院に収容された「彼」は、看視人の目を盗んで、ケシの花を摘み取ります。
「彼」にとって、紅いケシの花は、悪の象徴だったのです。
「彼」は、命を賭けて、悪とのひそかな戦いをおこなっているのでした…
作者ガルシン自身も、若い頃から精神疾患の発作に見舞われました。
そして、精神病院入院中の体験をもとに描かれたのが、「紅い花」です。
わずか30ページほどの短編ですが、強烈な印象を残す作品です。
私は、頭がかき乱されるような感じがしました。
同時収録されている「四日間」もまた、小品ながら強烈な作品です。
戦争で重傷を負った男が、生死の間をさまよう四日間が、描かれています。
「戦争と平和」で、アンドレイが倒れた場面と、イメージが重なりました。
ほか、「信号」は、主人公セミョーンの生きざまに、心打たれました。
童話風の「アッタレーア・プリンケプス」は、意味深な内容でした。
「紅い花」を読んだら、次は「青い花」を読まなければ。
こちらは、ドイツロマン派の詩人、ノヴァーリスの残した傑作です。
さいごに。(市の運動会)
日曜日に、市の運動会がありました。学区の対抗戦です。
私は、3年前から毎年、リレーに出ています。ほかに出る人がいないので。
結果は、予選落ち。6チーム中4位でした。
しかし、万年ビリのチームなので、「今年は速かった」と、ほめられました。