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サラジーヌ

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 「サラジーヌ 他三篇」 バルザック作 芳川泰久訳 (岩波文庫)


 「サラジーヌ」は、若い彫刻家が、美しい歌姫を恋した果てに起こる悲喜劇です。
 バルザックの「人間喜劇」の一編です。

 2012年9月に、岩波文庫から出たばかりで、訳はとても読みやすかったです。
 全四編の短編集で、それぞれの最初に、味のある扉絵があります。


サラジーヌ 他3篇 (岩波文庫)

サラジーヌ 他3篇 (岩波文庫)

  • 作者: バルザック
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 2012/09/15
  • メディア: 文庫



 ランティエ家は、パリで豪華な邸宅を構え、夜会では多くの人々を招いています。
 しかし、彼ら一族がどこから来たのか、カネの出所はどこなのか、誰も知りません。
 それは、まったくの謎でした。

 ランティエ家の夜会には、時折ひとりの亡霊のような老人が現れました。
 その老人が誰なのか、ランティエ家とどういうつながりなのか、誰も知りません。
 それも、まったくの謎でした。

 しかし、「私」は知っていました。若い女性にせがまれて、「私」は話し始めます。
 そこで語られるのが、若い天才彫刻家サラジーヌです。

 サラジーヌは、ローマで、完璧な美しさを持つ歌姫ザンビネッラを知りました。
 たちまち彼女を激しく愛するようになり、何度も彼女の舞台に通いました。

 とうとうザンビネッラから招待がありました。
 サラジーヌが連れて行かれたサロンでは、大酒宴が行われていて…

 と、なかなか亡霊の話になりません。
 しかし、ちゃんと話はつながっているのです。

 サラジーヌの愛した、歌姫ザンビネッラは、実は…
 ランティエ家に現れる、亡霊のような老人は、実は…
 実にバルザックらしい作品で、いっきに読ませます。

 岩波文庫版に収録のほか三篇も、芸術家にまつわる話で、全部すばらしいです。
 ところで私は、「絶対の探求」も「知られざる傑作」も、まだ読んでいません。
 近いうちに読みたいです。


「絶対」の探求 (岩波文庫)

「絶対」の探求 (岩波文庫)

  • 作者: バルザック
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 1978/04
  • メディア: 文庫




知られざる傑作―他五篇 (岩波文庫)

知られざる傑作―他五篇 (岩波文庫)

  • 作者: バルザック
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 1965/01
  • メディア: 文庫



 さいごに。(職員サッカー)

 今年も、職場でのサッカー大会が始まり、第一戦は1対2で敗れました。
 この試合で、私は初めて、右ウィングを任されました。(いつもは左ウィング)

 しかし、私にいいところなし。
 良い場面でボール取られるし、良い場面で転ぶし、良い場面でハンドしちゃうし。
 そのうち、味方からパスが来なくなりました。あーあ。

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