「サラジーヌ 他三篇」 バルザック作 芳川泰久訳 (岩波文庫)
「サラジーヌ」は、若い彫刻家が、美しい歌姫を恋した果てに起こる悲喜劇です。
バルザックの「人間喜劇」の一編です。
2012年9月に、岩波文庫から出たばかりで、訳はとても読みやすかったです。
全四編の短編集で、それぞれの最初に、味のある扉絵があります。
ランティエ家は、パリで豪華な邸宅を構え、夜会では多くの人々を招いています。
しかし、彼ら一族がどこから来たのか、カネの出所はどこなのか、誰も知りません。
それは、まったくの謎でした。
ランティエ家の夜会には、時折ひとりの亡霊のような老人が現れました。
その老人が誰なのか、ランティエ家とどういうつながりなのか、誰も知りません。
それも、まったくの謎でした。
しかし、「私」は知っていました。若い女性にせがまれて、「私」は話し始めます。
そこで語られるのが、若い天才彫刻家サラジーヌです。
サラジーヌは、ローマで、完璧な美しさを持つ歌姫ザンビネッラを知りました。
たちまち彼女を激しく愛するようになり、何度も彼女の舞台に通いました。
とうとうザンビネッラから招待がありました。
サラジーヌが連れて行かれたサロンでは、大酒宴が行われていて…
と、なかなか亡霊の話になりません。
しかし、ちゃんと話はつながっているのです。
サラジーヌの愛した、歌姫ザンビネッラは、実は…
ランティエ家に現れる、亡霊のような老人は、実は…
実にバルザックらしい作品で、いっきに読ませます。
岩波文庫版に収録のほか三篇も、芸術家にまつわる話で、全部すばらしいです。
ところで私は、「絶対の探求」も「知られざる傑作」も、まだ読んでいません。
近いうちに読みたいです。
さいごに。(職員サッカー)
今年も、職場でのサッカー大会が始まり、第一戦は1対2で敗れました。
この試合で、私は初めて、右ウィングを任されました。(いつもは左ウィング)
しかし、私にいいところなし。
良い場面でボール取られるし、良い場面で転ぶし、良い場面でハンドしちゃうし。
そのうち、味方からパスが来なくなりました。あーあ。