「ガルガンチュア」 ラブレー作 宮下志朗訳 (ちくま文庫)
ガルガンチュアの誕生から敵国との戦争までを描いた、荒唐無稽な物語です。
全5巻のうち「第一之書」です。「第二之書パンタグリュエル」も有名です。
ちくま文庫から「ガルガンチュアとパンタグリュエル」全5巻が出ています。
分かりやすい訳ですが、現在手に入るのは「第一之書ガルガンチュア」だけ。
![ガルガンチュア―ガルガンチュアとパンタグリュエル〈1〉 (ちくま文庫) ガルガンチュア―ガルガンチュアとパンタグリュエル〈1〉 (ちくま文庫)]()
岩波文庫版では、5冊セットが手に入るらしい。知らなかった!
![カルガンチュワとパンダグリュエル物語 5冊セット (岩波文庫) カルガンチュワとパンダグリュエル物語 5冊セット (岩波文庫)]()
巨人の国の王グラングジェの子として、ガルガンチュアは生まれました。
ガルガンチュアとその一族の、糞尿まみれの物語の始まりです。
5歳のガルガンチュアは、お尻の最高のふき方を考案しました。
「うぶ毛でおおわれたガチョウの雛にまさる尻 ふき紙はないと主張したい」
それを聞いて、父王は感心してしまいました。
「この子の知性にはなにかしら神がかり的なものがあることがわかるのだ」
このことがきっかけで、ガルガンチュアには家庭教師が付けられました。
そしてのちには、パリに遊学させられたのです。
パリに入ったばかりの時、やじうまたちに向けて、おし〇こをすると、
「なんと二六万四一八人もの人々が溺れてしまった」とのこと。
200年後の英国の「ガリヴァ旅行記」にも、似たような場面がありました。
「ガリヴァ旅行記」→ http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2010-12-15
こんな調子で、実にバカバカしくも、ワクワクする糞尿譚が続きます。
松岡正剛は、「千夜千冊」の中で、本書の魅力を次のように述べています。
「世界文学史上、こんなに荒唐無稽でヒューマンで、
超インテリジェントで、変おかしくて、
登場人物の全員が暴走しつづける大作なんて、ない。
これからもない。こんな話、ラブレーしか書けない。」と。
(そうだよな、ほかの人間には書けないよな、というか、書かないよな。)
では、私のお気に入りの「下痢便ブドウ」(!)の場面を、どうぞ。
「このブドウ、なぜ下痢便ブドウなどと呼ばれるかと申しますと、 食べる
と、まるで槍みたいに、ずぶずぶっとお通じがあるからなのです。おかげ
で、おならをしているつもりで、うんちをもらしてしまうこともよくあっ
たりして、こうした連中のことを、『ブドウ収穫期のおなら男』なんて呼
んでいるのですがね。」(P213)
さて、後半はピクロコル王との戦争とテレーム修道院創建の話に移ります。
随所に社会批判があり、ふざけた中にもまじめな雰囲気が漂っています。
正直に言って、前半の糞尿譚の方がはるかに面白い。
なお、全5巻ですが、読んで面白いのは最初の2巻だけだと思います。
ところで、「第二之書パンタグリュエル」の方が、先に書かれたのです。
ちなみに「パンタグリュエル」は、「ガルガンチュア」の息子です。
![パンタグリュエル―ガルガンチュアとパンタグリュエル〈2〉 (ちくま文庫) パンタグリュエル―ガルガンチュアとパンタグリュエル〈2〉 (ちくま文庫)]()
さいごに。(後十字靭帯損傷)
左ひざが良くならないので、総合病院に行って、MRIをとりました。
その結果、後十字靭帯が損傷していることが分かりました。
前十字靭帯の損傷ほどひどくありませんが、なんらかの治療が必要になります。
やれやれ。以前のように走れるようになるのだろうか?
ガルガンチュアの誕生から敵国との戦争までを描いた、荒唐無稽な物語です。
全5巻のうち「第一之書」です。「第二之書パンタグリュエル」も有名です。
ちくま文庫から「ガルガンチュアとパンタグリュエル」全5巻が出ています。
分かりやすい訳ですが、現在手に入るのは「第一之書ガルガンチュア」だけ。

ガルガンチュア―ガルガンチュアとパンタグリュエル〈1〉 (ちくま文庫)
- 作者: フランソワ ラブレー
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2005/01/01
- メディア: 文庫
岩波文庫版では、5冊セットが手に入るらしい。知らなかった!

カルガンチュワとパンダグリュエル物語 5冊セット (岩波文庫)
- 作者: ラブレー
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 1996/07/01
- メディア: 文庫
巨人の国の王グラングジェの子として、ガルガンチュアは生まれました。
ガルガンチュアとその一族の、糞尿まみれの物語の始まりです。
5歳のガルガンチュアは、お尻の最高のふき方を考案しました。
「うぶ毛でおおわれたガチョウの雛にまさる尻 ふき紙はないと主張したい」
それを聞いて、父王は感心してしまいました。
「この子の知性にはなにかしら神がかり的なものがあることがわかるのだ」
このことがきっかけで、ガルガンチュアには家庭教師が付けられました。
そしてのちには、パリに遊学させられたのです。
パリに入ったばかりの時、やじうまたちに向けて、おし〇こをすると、
「なんと二六万四一八人もの人々が溺れてしまった」とのこと。
200年後の英国の「ガリヴァ旅行記」にも、似たような場面がありました。
「ガリヴァ旅行記」→ http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2010-12-15
こんな調子で、実にバカバカしくも、ワクワクする糞尿譚が続きます。
松岡正剛は、「千夜千冊」の中で、本書の魅力を次のように述べています。
「世界文学史上、こんなに荒唐無稽でヒューマンで、
超インテリジェントで、変おかしくて、
登場人物の全員が暴走しつづける大作なんて、ない。
これからもない。こんな話、ラブレーしか書けない。」と。
(そうだよな、ほかの人間には書けないよな、というか、書かないよな。)
では、私のお気に入りの「下痢便ブドウ」(!)の場面を、どうぞ。
「このブドウ、なぜ下痢便ブドウなどと呼ばれるかと申しますと、 食べる
と、まるで槍みたいに、ずぶずぶっとお通じがあるからなのです。おかげ
で、おならをしているつもりで、うんちをもらしてしまうこともよくあっ
たりして、こうした連中のことを、『ブドウ収穫期のおなら男』なんて呼
んでいるのですがね。」(P213)
さて、後半はピクロコル王との戦争とテレーム修道院創建の話に移ります。
随所に社会批判があり、ふざけた中にもまじめな雰囲気が漂っています。
正直に言って、前半の糞尿譚の方がはるかに面白い。
なお、全5巻ですが、読んで面白いのは最初の2巻だけだと思います。
ところで、「第二之書パンタグリュエル」の方が、先に書かれたのです。
ちなみに「パンタグリュエル」は、「ガルガンチュア」の息子です。

パンタグリュエル―ガルガンチュアとパンタグリュエル〈2〉 (ちくま文庫)
- 作者: フランソワ ラブレー
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2006/02/01
- メディア: 文庫
さいごに。(後十字靭帯損傷)
左ひざが良くならないので、総合病院に行って、MRIをとりました。
その結果、後十字靭帯が損傷していることが分かりました。
前十字靭帯の損傷ほどひどくありませんが、なんらかの治療が必要になります。
やれやれ。以前のように走れるようになるのだろうか?