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中国名詩選

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 「中国名詩選(中)」 川合康三編訳 (岩波文庫)


 杜甫・李白を中心に、初唐・盛唐・中唐の詩の代表作を収録しています。
 白文、書き下し文、注、現代語訳、補足説明と、丁寧に作られた本です。


新編 中国名詩選(中) (岩波文庫)

新編 中国名詩選(中) (岩波文庫)

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 2015/02/18
  • メディア: 文庫



 初唐においては、南朝の流れを引き継ぎ、文学は主に宮廷で行われました。
 盛唐になると、文学は宮廷から離れ、文学は政治から距離を置きました。

 李白や杜甫など、放浪の中で作られた詩が、唐詩の黄金期を形成しました。
 これらの詩は、世界に広がり、日本にももたらされ、広く愛されました。

 「中国名詩選(中)」には、全盛期の代表的な唐詩が収められています。
 孟浩然、王維、李白、杜甫、韓愈、柳宋元・・ ・

 特に突出しているのが、李白26首と杜甫43首。何といってもこの二人です。
 ちなみに私は、厳しい現実を詠んだ杜甫より、空想に遊んだ李白が良い。

 李白には、「黄鶴楼に孟浩然の広陵に之くを送る」「子夜呉歌」、
 「山中問答」「山中にて幽人と対酌す」「黄鶴楼」などがあります。

 しかし、なんといってもすばらしいのは「春日酔いより起きて志を言う」。
 「世におるは大夢のごとし なんすれぞ其の生を労す・・・」(!)

 杜甫には、「月夜」「春望」「江亭」「岳陽楼に登る」などがあります。
 実に160ページにわたって、杜甫の切なく悲しい詩が続いています。

 ほか、陳子昂の「幽州台に登る歌」、王翰の「涼州詩」、孟浩然の「春暁」、
 王維の「 元二の安西に使いするを送る」と「竹里館」、柳宗元の「江雪」・・・

 この本は、どこかで聞いたことのある有名どころを網羅していて良いです。
 今後、何度も読み返す本になりそうです。

 さいごに。(ミス・デビル)

 娘は、「ミス・デビル」を毎回見ています。佐藤勝利が出ているからです。
 「まったく、くだらない」と思いながら、一緒に見ていたら、面白くて・・・

 第3話では、言うことを聞かないバカ社員を、最後にはちゃんと成敗!
 ミス・デビルには、何か隠された使命があるようで、この先も気になります。

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