「草の竪琴」 カポーティ作 大澤薫訳 (新潮文庫)
家を出て樹の上で暮らす、16歳の少年コリンと60歳の従姉ドリーの物語です。
自伝的な作品で、主人公のコリンは作者の分身です。
現在、新潮文庫から出ています。
初版は1993年ですが、訳は1971年のもの。言葉遣いに古さを感じました。
幼くして両親を亡くしたコリンは、いとこの姉妹と一緒に暮らしています。
いとこといっても、ドリーもヴェリーナも、60歳のおばあさんなのです。
姉のドリーは、純粋無垢な女性で、コリンとは大の仲良しです。
妹のヴェリーナは、複数の店を経営していて、一家の家長的存在です。
さて、コリンが16歳の夏、姉妹のちょっとした口論がきっかけとなり、
ドリーとコリンは家を出て、樹の上の小屋で暮らすようになりましたが・・・
ツリーハウスでの寝泊り。ドリーという現実離れした友人。
うらやましいです。私も、そういう生活に憧れていました。
物語でも、そういう生活に引き寄せられるかのように、やって来る人がいます。
一方、そういう生活は、良識ある人々のひんしゅくを買います。
そして実際、そういう生活は永遠に続くことはありません。
それは、非現実の世界。そのことを知って、人は大人になるのでしょう。
(遠野YHのヌシは、その後、社会復帰できただろうか?)
ところで、この作品もぜひ、村上春樹に訳してほしいです。
「ティファニーで朝食を」や「誕生日の子どもたち」は、村上訳がすばらしい。
「ティファニーで朝食を」 → http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2009-12-25
「誕生日の子どもたち」は未読。
さいごに。(4センチオーバー!)
職場で健康診断で、腹囲を計ったところ、昨年より約4センチオーバー。
ショックです。これでは速く走れるわけがない。腹筋を鍛えなければ。