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草の竪琴

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 「草の竪琴」 カポーティ作 大澤薫訳 (新潮文庫)


 家を出て樹の上で暮らす、16歳の少年コリンと60歳の従姉ドリーの物語です。
 自伝的な作品で、主人公のコリンは作者の分身です。

 現在、新潮文庫から出ています。
 初版は1993年ですが、訳は1971年のもの。言葉遣いに古さを感じました。


草の竪琴 (新潮文庫)

草の竪琴 (新潮文庫)

  • 作者: トルーマン カポーティ
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 1993/03/30
  • メディア: 文庫



 幼くして両親を亡くしたコリンは、いとこの姉妹と一緒に暮らしています。
 いとこといっても、ドリーもヴェリーナも、60歳のおばあさんなのです。

 姉のドリーは、純粋無垢な女性で、コリンとは大の仲良しです。
 妹のヴェリーナは、複数の店を経営していて、一家の家長的存在です。

 さて、コリンが16歳の夏、姉妹のちょっとした口論がきっかけとなり、
 ドリーとコリンは家を出て、樹の上の小屋で暮らすようになりましたが・・・

 ツリーハウスでの寝泊り。ドリーという現実離れした友人。
 うらやましいです。私も、そういう生活に憧れていました。

 物語でも、そういう生活に引き寄せられるかのように、やって来る人がいます。
 一方、そういう生活は、良識ある人々のひんしゅくを買います。

 そして実際、そういう生活は永遠に続くことはありません。
 それは、非現実の世界。そのことを知って、人は大人になるのでしょう。

 (遠野YHのヌシは、その後、社会復帰できただろうか?)

 ところで、この作品もぜひ、村上春樹に訳してほしいです。
 「ティファニーで朝食を」や「誕生日の子どもたち」は、村上訳がすばらしい。

 「ティファニーで朝食を」 → http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2009-12-25
 「誕生日の子どもたち」は未読。


誕生日の子どもたち (文春文庫)

誕生日の子どもたち (文春文庫)

  • 作者: トルーマン カポーティ
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2009/06/10
  • メディア: 文庫



 さいごに。(4センチオーバー!)

 職場で健康診断で、腹囲を計ったところ、昨年より約4センチオーバー。
 ショックです。これでは速く走れるわけがない。腹筋を鍛えなければ。

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