「二十四の瞳」 壺井栄 (角川文庫)
昭和の前半に、瀬戸内海の寒村に赴任した女先生と12人の生徒たちの物語です。
優れた反戦小説として有名で、映画やドラマになりました。
角川文庫や新潮文庫から出ています。私は角川文庫の2011年版で読みました。
てぬぐい柄のしゃれた表紙です。定価は324円と、昔ながらの良心的な価格。
昭和3年に、寒村の分教場に、新米の女教師がやってきました。大石先生です。
彼女が初めて受け持つ1年生は、男子5人、女子7人の計12人でした。
十二人の一年生の瞳は、それぞれの個性にかがやいてことさら印象ぶかくうつった
のである。/この瞳を、どうしてにごしてよいものか!(P24)
しかし、村の生活は貧しく、さらに戦争の荒波に巻き込まれて・・・
その4年後に5年生になった彼らは・・・さらにその14年後の再会では・・・
今回読み直して、今さらながらこの作品が、反戦小説なのだと気付きました。
「名誉の戦死など、しなさんな。生きてもどってくるのよ。」(P189)
さて、私が印象的だったのは、当時は誰もが学校で学びたがっていたということ。
そして、学びたくても学べないという子が、とてもたくさんいたということです。
当時の子どもたちは、小学生ともなれば、一家の労働力として数えられました。
男の子は父親の仕事を手伝い、女の子は母親を手伝って子守や炊事をしました。
今はどうかというと・・・子供たちは、家族においても「お客様」となっている!
うちもそうです。母が料理し、父がお皿を並べている間、娘はごろごろしています。
これでは、子供たちが「お客様」扱いに慣れてしまうのは、当然かもしれません。
社会全体で、このような傾向を変えていかなければいけません。まずはうちから。
働かない若者がいることも、「お客様」だからと考えれば、納得がいきます。
と思っていたら、北大から「働かないアリ」について、面白い発表がありました。
「普段働かないアリがいざという時に働いて、集団の絶滅を防いでいる」という。
奥が深いです。働かない者は、いざという時に備えている、三年寝太郎なのかも。
さて、壺井栄にはほかにも、「母のない子と子のない母と」という名作があります。
「二十四の瞳」と対になるような作品です。ただし、現在品切れ。重版を待ちたい。
さいごに。(知らなくてもいい)
今年に入って50日。この間娘が最も興味を持って覚えた言葉が「不倫」でした。
テレビでは毎日、「不倫」「不倫」とそればっかり。
昭和の前半に、瀬戸内海の寒村に赴任した女先生と12人の生徒たちの物語です。
優れた反戦小説として有名で、映画やドラマになりました。
角川文庫や新潮文庫から出ています。私は角川文庫の2011年版で読みました。
てぬぐい柄のしゃれた表紙です。定価は324円と、昔ながらの良心的な価格。
昭和3年に、寒村の分教場に、新米の女教師がやってきました。大石先生です。
彼女が初めて受け持つ1年生は、男子5人、女子7人の計12人でした。
十二人の一年生の瞳は、それぞれの個性にかがやいてことさら印象ぶかくうつった
のである。/この瞳を、どうしてにごしてよいものか!(P24)
しかし、村の生活は貧しく、さらに戦争の荒波に巻き込まれて・・・
その4年後に5年生になった彼らは・・・さらにその14年後の再会では・・・
今回読み直して、今さらながらこの作品が、反戦小説なのだと気付きました。
「名誉の戦死など、しなさんな。生きてもどってくるのよ。」(P189)
さて、私が印象的だったのは、当時は誰もが学校で学びたがっていたということ。
そして、学びたくても学べないという子が、とてもたくさんいたということです。
当時の子どもたちは、小学生ともなれば、一家の労働力として数えられました。
男の子は父親の仕事を手伝い、女の子は母親を手伝って子守や炊事をしました。
今はどうかというと・・・子供たちは、家族においても「お客様」となっている!
うちもそうです。母が料理し、父がお皿を並べている間、娘はごろごろしています。
これでは、子供たちが「お客様」扱いに慣れてしまうのは、当然かもしれません。
社会全体で、このような傾向を変えていかなければいけません。まずはうちから。
働かない若者がいることも、「お客様」だからと考えれば、納得がいきます。
と思っていたら、北大から「働かないアリ」について、面白い発表がありました。
「普段働かないアリがいざという時に働いて、集団の絶滅を防いでいる」という。
奥が深いです。働かない者は、いざという時に備えている、三年寝太郎なのかも。
さて、壺井栄にはほかにも、「母のない子と子のない母と」という名作があります。
「二十四の瞳」と対になるような作品です。ただし、現在品切れ。重版を待ちたい。
さいごに。(知らなくてもいい)
今年に入って50日。この間娘が最も興味を持って覚えた言葉が「不倫」でした。
テレビでは毎日、「不倫」「不倫」とそればっかり。