「羊をめぐる冒険」 村上春樹 (講談社文庫)
29歳の「僕」がガールフレンドと一緒に、謎の羊を探し求める冒険物語です。
「風の歌を聴け」「1973年のピンボール」に続く三部作の完結編です。
「風の歌を聴け」→ http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2014-06-06
「1973年のピンボール」→ http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2014-06-13
妻に去られた29歳の「僕」は、耳専門モデルの彼女と一緒に過ごしていました。
ふと彼女が言います。「あと十分ばかりで大事な電話がかかってくるわよ」
「羊のことよ」「たくさんの羊と一頭の羊」「そして冒険が始まるの」
そのあとすぐに電話が鳴り、会社の相棒に呼び出されて・・・
羊とは何か? 先生とは何者なのか? 秘書の狙いは何か?
彼女はどこへ? 羊男とは? 鼠には何があったのか?
様々な謎を残しながら、物語はどんどん進んでいきます。
一度読み始めたら止まりません。読書の楽しさが、存分に味わえる作品です。
私はこの作品を大学時代に2度、社会人になってすぐにもう1度読みました。
読むたびに熱中し、あれこれ意味を考え、頭がくらくらしたのを思い出します。
この作品と「ノルウェイの森」は、私の青春時代における大切な物語です。
だからこそ、もったいない気がして、4度目をなかなか読み始められません。
現在手元にあるのは、2004年に講談社文庫から出た本です。
この本を買って12年がたちますが、いまだに読むのを躊躇しています。
全ては失われていく。そして二度と戻ってこない・・・
そういう村上春樹的寂しさを、49歳の私は、どのように受け止められるのか。
この作品の後、「世界の終りと・・・」「ノルウェイの森」と続きました。
村上春樹が一番良かったのは、1980年代のこの時期だったように思います。
「ノルウェイの森」→ http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2012-04-19
さいごに。(平泳ぎ25m)
近所の水泳場で、娘に平泳ぎの練習をさせましたが、15m泳ぐのがやっと。
近くにいた年配の女性にアドバイスを求めると、親切に教えてくれました。
その方の教え方がとてもうまくて、娘の泳ぎはめきめきと上達しました。
あっというまに25m泳げました。あの方は水泳の先生だったのか?