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インド神話 

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 「インド神話」 上村(かみむら)勝彦 (ちくま学芸文庫)


 古代の叙事詩に出てくる神々を中心に、インド神話を体系的に解説した著書です。
 著者の上村は、「マハーバーラタ」の原典訳に挑みました。(未完)

 ちくま学芸文庫から出ています。1981年に東京書籍から出た本の再刊です。
 所々に図版があり、巻末には詳細な神名・人名索引と事項索引が付いています。
 

インド神話―マハーバーラタの神々 (ちくま学芸文庫)

インド神話―マハーバーラタの神々 (ちくま学芸文庫)

  • 作者: 上村 勝彦
  • 出版社/メーカー: 筑摩書房
  • 発売日: 2003/01
  • メディア: 文庫



 ヴィシュヌ、シヴァ、ブラフマー、インドラ、カーマ、ガルダ、ヴリトラ、
 アガスティヤ仙、ヴィシュヴァーミトラ王、様々な天女、多くの阿修羅たち・・・

 乳海攪拌と天地創造、甘露の争奪、インドラの金剛杵、海を飲み干す仙人、
 シャクンタラーの物語、天女の誘惑、ヴィシュヌの十化身、クリシュナ神話・・・

 インドの複雑な神話を、体系的に分かりやすく整理し、紹介した著書です。
 所々に写真が収録されているので、その雰囲気をつかみやすいです。

 とはいえ、私は後半になってくると、頭が混乱してきました。
 似たような神名や人名や地名が、次から次に容赦なく出てくるので。

 アイラーヴァタ、アウルヴァ、アガスティア、アグニ、アクーパーラ、
 アクルーラ、アサマンジャス、アシュヴィン・・・全く覚えられません。

 それでも、短い章で区切られているため、なんとか最後まで読み終えました。
 「シャクンタラー」など、有名な物語を知ることができて良かったです。

 また、面白かったのは、美女を使って相手を堕落させる展開が多いことです。
 時には神が、娘を派遣して仙人を誘惑するように言ったりします。ひどい。

 女性を知らなかった仙人は、女陰を見ると傷だと思い、その傷を癒そうとして
 彼女と交わり・・・アホか。しかし、こういう話が昔も好まれたのでしょう。

 ギリシア・ローマのものと比べ、インドの叙事詩は大らかでどこか滑稽です。
 神々が時々カッコ悪いです。特にインドラは意外と小物で笑えます。

 さて、この本は「マハーバーラタ」の入門書兼インド神話事典として使えます。
 とはいえ、今後「マハーバーラタ」を読むことは、当分無いと思うのですが。

 「簡約マハーバーラタ」という本を、どこかで出してもらえないでしょうか。
 あるいは、「マハーバーラタを知っていますか」みたいな本を、期待します。

 さいごに。(寝たのは11時)

 小学校の海洋自然教室は、カヌーなどにも乗れて、とても楽しかったようです。
 ところで、娘たちの班が寝たのは、なんと11時になってからだそうです。

 夜、怖い本を読んでいた子が、怖くなって泣いてしまい、大変だったとのこと。
 その日は皆寝不足で、家に帰った時の娘は、もうふらふらだったようです。

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