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シャクンタラー姫

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 「シャクンタラー姫」 カーリダーサ作 辻直四郎訳 (岩波文庫)


 天女の娘シャクンタラーと、ドゥフシャンタ王との、数奇な恋を描いた戯曲です。
 インド叙事詩「マハーバーラタ」の一挿話を、カーリダーサがアレンジしました。

 岩波文庫から出ています。初版は1977年ですが、1956年のものの改訳です。
 文章が古めかしくて、分かりにくかったです。新訳を期待したいです。


シャクンタラー姫 (岩波文庫 赤 64-1)

シャクンタラー姫 (岩波文庫 赤 64-1)

  • 作者: カーリダーサ
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 1977/08/16
  • メディア: 文庫



 ドゥフシャンタ王は狩りの途中で、カンヴァ仙の養女シャクンタラーに出会いました。
 お互いに一目ぼれした二人は結ばれて、王は思い出のしるしに指輪を贈りました。

 やがてシャクンタラーは子を宿し、養父カンヴァ仙は喜びます。
 しかし、いつまで待っても、王からの迎えが来なくて・・・

 作者のカーリダーサは、4世紀にインドのグプタ朝で活躍したと伝えられます。
 サンスクリット文学において、最も偉大な劇作家であると言われています。

 そして、カーリダーサと言えば「シャクンタラー」と言われるほど、有名な作品です。
 一度は読んでおきたい戯曲だと思い、このたび初めて手に取ってみました。

 さて、正直に言うと、天女の娘であるシャクンタラーの魅力が、全く分かりません。
 大事な指輪を失くし、しかも失くしたことに気付きもしなかった。バカではないか?

 シャクンタラーがつまらない女なので、王もまたつまらない男に見えてしまいます。
 シャクンタラーと王が、困難を自力で打開していく展開だったら良かったと思います。

 ところで、この本の訳は古く、文章が古めかしいので、分かりにくい部分があります。
 特に、王の言葉はしばしば古文調の歌になるので、その部分がよく理解できない。

 「君が身の 重さにくぼむ 花しとね 石の上にあり、蓮の葉に 爪もて彫りし 
 なつかしの 恋の玉章・・・」(P79) これは、万葉集か?

 というわけで、この作品は読む価値ありと認めた上で、読むことは勧めません。
 この訳ではオススメできません。マニアックな本です。新訳が出たら読み直したい。

 さいごに。(システム手帳完成)

 レザークラフト講座で作ってきたシステム手帳が、ようやく完成しました。
 縫い目や細かい処理に、多くの難がありますが、世界に一つだけのオリジナルです。

P1070869-1.jpg
 外から見るととことん渋い黒。取っ手が付いている。
P1070870-1.jpg
 中は渋めの赤。筆記具入れが付いている。

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