群盗
「群盗」 シラー作 久保栄訳 (岩波文庫) 盗賊団隊長となって社会の変革を目指す青年の、理想と苦悩を描いた戯曲です。 ゲーテの「ウェルテル」と並んで、ドイツの疾風怒濤時代を代表する作品です。 岩波文庫から2016年2月に復刊されました。手に入るのも今のうちです。 1958年の訳なので、所々に分かりにくい箇所がありましたが、貴重な本です。 群盗 (岩波文庫)作者: シラー出版社/メーカー:...
View Article葡萄が目にしみる
「葡萄が目にしみる」 林真理子 (角川文庫) ブドウ作りの盛んな田舎町を舞台に、乃里子の思春期を描いた自伝的小説です。 直木賞候補となった作品で、現在も角川文庫から出ているロングセラー本です。 葡萄が目にしみる (角川文庫)作者: 林 真理子出版社/メーカー: 角川書店発売日: 1986/03メディア: 文庫 ブドウ農家の乃里子は、不美人で動作が鈍くて、あまりパッとしない女の子です。...
View Article史記・列伝1
「史記・列伝」 司馬遷著 小竹文夫・小竹武夫訳 (ちくま学芸文庫) 列伝は、国に仕えて時代を動かした人物の一代記を、年代順にまとめたものです。 ちくま学芸文庫から4分冊で出ています。1971年の訳です。 史記〈5〉―列伝〈1〉 (ちくま学芸文庫)作者: 司馬 遷出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 1995/05メディア: 文庫 史記は、本紀、表、書、世家、列伝から成っています。...
View Article2016年12月発売の気になる文庫本
2016年12月発売予定の文庫本で、気になるものを独断で紹介します。 データは、出版社等のHPやメールマガジンを参考にしています。 アマゾン本の「詳細検索」でその月の出版予定の本が分かります。 「出版年月」を「2016年12月のみ」と指定すると、以下の3冊も出ます。 ◎ 文春文庫(12/1)から、次の1点。 ・「名画と読むイエス・キリストの物語」 中野京子 →...
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「星と祭」 井上靖 (角川文庫) 琵琶湖で娘を亡くした男が、湖北の十一面観音を巡り、心の平安を得る物語です。 この作品で、湖北の十一面観音たちは、全国的に知られるようになりました。 以前は角川文庫から出ていましたが、現在は絶版。私は20年ほど前に読みました。 解説は、角川文庫の発刊者である故・角川源義。ぜひこの本を復刊してほしい。 星と祭 (角川文庫 い 5-4)作者: 井上...
View Articleローマ建国史
「ローマ建国史(上)」 リウィウス著 鈴木一州(かずくに)訳 (岩波文庫) 建国から紀元前二世紀頃までの、ローマの歴史を記した142巻の著書です。 ローマ文学の黄金時代である紀元前17年に書かれ、35巻が現存しています。 岩波文庫から2007年に上巻だけ出ました。中巻と下巻はいつ出るのか。 この本に収録されているのは、現存するうちの第一巻と第二巻のみです。 ローマ建国史〈上〉...
View Article史記・列伝2
「史記・列伝」 司馬遷著 小竹文夫・小竹武夫訳 (ちくま学芸文庫) 列伝は、国に仕えて時代を動かした人物の一代記を、年代順にまとめたものです。 ちくま学芸文庫から4分冊で出ています。1971年の訳です。 史記〈7〉―列伝〈3〉 (ちくま学芸文庫)作者: 司馬 遷出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 1995/07メディア: 文庫 史記〈8〉―列伝〈4〉 (ちくま学芸文庫)作者: 司馬...
View Articleもつれっぱなし・他2作
「もつれっぱなし」 井上夢人 (講談社文庫) 男女の会話だけで成り立っていて、どんどんもつれていく短編ばかりです 井上夢人は、1982年から活躍している推理・SF・ホラー作家です。 もつれっぱなし (講談社文庫)作者: 井上 夢人出版社/メーカー: 講談社発売日: 2006/04/14メディア: 文庫 「宇宙人の証明」「四十四年後の証明」「呪いの証明」「狼男の証明」「幽霊の証明」...
View Article年代記(タキトゥス)
「年代記(上)ティベリウス帝からネロ帝へ」 タキトゥス (岩波文庫) 初代ローマ皇帝アウグストゥスの死から、五代皇帝ネロまでの年代記です。 タキトゥスは、紀元1世紀から2世紀にかけて活躍した歴史家です。 岩波文庫から二分冊で出ています。古い訳ですが、分かりやすかったです。 原典には欠落している部分があり、いいところで話が途切れたりもします。 年代記〈上〉ティベリウス帝からネロ帝へ...
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「マイナス・ゼロ」 広瀬正 (集英社) 昭和を舞台に、タイムマシンとタイムパラドックスを扱ったSF長編小説です。 広瀬正の代表作で名作中の名作です。日本のタイムトラベル小説の金字塔です。 長い間、入手困難な本でしたが、2008年に改定新版が出ました。 2008年本屋大賞の「この文庫を復刊せよ!」で、1位の票を得たためです。 マイナス・ゼロ (集英社文庫)作者: 広瀬 正出版社/メーカー:...
View Article年代記2(タキトゥス)
「年代記 ティベリウス帝からネロ帝へ(下)」 タキトゥス (岩波文庫) 初代ローマ皇帝アウグストゥスの死から、五代皇帝ネロまでの年代記です。 岩波文庫から出ています。下巻は「第二部 クラウディウスとネロ」です。 年代記〈下〉ティベリウス帝からネロ帝へ (岩波文庫)作者: タキトゥス出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 1981/04/16メディア: 文庫...
View Article2016年のベスト5
◎ 今年もあと1週間です。今回は、恒例の年末企画です。 2016年に私が読んだ文庫本の、ベスト5を勝手に決めて紹介します。 今年私が、初めて読んだ本だけを対象にします。 昔出た本でもOKですが、昔読んだ本は対象外です。 (今年紹介した本でも、「星と祭り」など昔読んだものは対象外です。) ・ 第1位 「イリアス」「オデュッセイア」 ホメロス (岩波文庫)...
View Article古代文学のベスト20を選びました
「文学全集 第Ⅶ集 古代編」 文庫本で自分だけの文学全集をそろえることが、私のライフワークです。 例によって独断と偏見で、第Ⅶ集の古代編を決定したいと思います。 すでに、第Ⅰ集から第Ⅵ集は完成しています。 以下のページを参照してください。 第Ⅰ集「19世紀フランス編」(20作) → http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2010-10-23...
View Article2017年1月発売の気になる文庫本
◎ 2016年12月発売予定の文庫本で、気になるものを独断で紹介します。 データは、出版社やamazonの、HPやメールマガジンを参考にしています。 ・1/6「宇宙が始まる前には何があったのか?」ローレンス・クラウス(文春文庫) → 2013年に出たベストセラーの文庫化。分かりやすい宇宙論。気になる。 ・1/7「すばらしい新世界〔新訳版〕」ハクスリー(ハヤカワepi文庫) →...
View Article古代文学のベスト20を選びました2
前々回、古代文学のベスト20を、独断で次のように選びました。 古代文学ベスト20→ http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2016-12-27 1 「ギルガメシュ叙事詩」(メソポタミア)●前1500年~前1000年 2 「イリアス」ホメロス(ギリシア)●前8世紀 3 「オデュッセイア」ホメロス(ギリシア)●前8世紀 4 「ギリシア悲劇...
View Article風が強く吹いている
「風が強く吹いている」 三浦しをん (新潮文庫) 素人ばかりの寄せ集め陸上部員たちが、箱根駅伝で頂点を目指す物語です。 2007年本屋大賞の3位に入り、コミックや映画にもなりました。 風が強く吹いている (新潮文庫)作者: 三浦 しをん出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2009/06/27メディア: 文庫 ある日、清瀬灰二は蔵原走(かける)と出会い、同じ下宿を紹介しました。...
View Articleラサリーリョ・デ・トルメスの生涯
「ラサリーリョ・デ・トルメスの生涯」 会田由(ゆう)訳 (岩波文庫) 少年ラーサロが、主人から主人へと渡り歩きながら、様々な苦労をする物語です。 スペイン文学伝統のピカレスク小説を、流行させるきっかけになった作品です。 初訳はなんと1941年(!)。1964年に改訳されました。意外と読みやすいです。 しばらく絶版でしたが、昨年2016年11月に復刊されました。...
View Article走ることについて語るときに僕の語ること
「走ることについて語るときに僕の語ること」 村上春樹 (文春文庫) 熱心な市民ランナーでもある著者が、走ることについて存分に語ったエッセイです。 走ることについて語りながら、小説家としての自分を語る個人史にもなっています。 走ることについて語るときに僕の語ること (文春文庫)作者: 村上 春樹出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2010/06/10メディア: ペーパーバック...
View Articleローランの歌
「ローランの歌・狐物語(中世文学集Ⅱ)」 ちくま文庫 フランク王国とイベリア半島のイスラム帝国の戦いを描いた叙事詩です。 最も古い武勲詩で、11世紀に古フランス語書かれています。 岩波文庫とちくま文庫で出ていましたが、現在はどちらも絶版です。 私は、ちくま文庫「中世文学集」をなぜか持っていて、ラッキーでした。 ロランの歌 (岩波文庫 赤 501-1)作者: 出版社/メーカー:...
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