旅の日のモーツァルト
「旅の日のモーツァルト」 メーリケ作 宮下健三訳 (岩波文庫) モーツァルトが旅の途上、ある伯爵家で過ごした一夜を描いた小品です。 19世紀ドイツ詩人メーリケが残した、散文の傑作です。 現在、岩波文庫から出ています。 訳は40年前の1974年。ドイツ文学においては、決して古くない訳です。 旅の日のモーツァルト (岩波文庫)作者: メーリケ出版社/メーカー: 岩波書店発売日:...
View Article海辺の悲劇
「海辺の悲劇」 バルザック作 水野亮訳 (岩波文庫) 「海辺の悲劇」は、一家にとって不名誉な息子を殺す父親を描いた短篇です。 ほか「グランド・ブルテーシュ綺譚」などを含む短編集です。 岩波文庫から、今年2013年2月に、復刊されたばかりです。 初版は1934年! しかし、さすがバルザック、すでに28刷です。 でも、それなら改版を出してほしい。いや、どうせなら新訳を出してくれ!...
View Article2013年4月発売の気になる文庫本
2013年4月発売予定の文庫本で、気になるものを独断で紹介します。 データは、出版社等のHPやメールマガジンを参考にしています。 ◎だいわ文庫(4/10)から1冊。 ・「ユダヤ人大富豪の教え 人間関係を築く8つのレッスン」本田健 → 「ユダヤ人大富豪の教え」の1は私の座右の書。要チェック。 ◎講談社学術文庫(4/10)から1冊。 ・「進化生物学入門...
View Articleタンホイザー
「さすらいのオランダ人 タンホイザア」 ワアグナア作 高木卓訳 (岩波文庫) 「さすらいのオランダ人」は、オランダ幽霊船の伝説を題材にした歌劇です。 「タンホイザア」は、タンホイザア説話と歌合せ説話を題材にした歌劇です。 どちらも、ワアグナアの前期の代表作です。 今年2013年2月に、岩波文庫から復刊されました。 初版が1951年。現在まだ4刷。訳は意外と分かりやすかったです。...
View Article大理石像
「大理石像・デュランデ城悲歌」 アイヒェンドルフ作 関泰祐訳 (岩波文庫) 青年貴族が、ヴィーナスの化身に惑わされながらも、真実の愛を得る物語です。 ドイツロマン主義作家アイヒェンドルフによる、幻想的な中編です。 今年2013年2月に復刊されたばかり。またすぐに無くなりそうです。 初版は1955年。旧字体なので、慣れるまで少したいへんです。 大理石像・デュランデ城悲歌 (岩波文庫)作者:...
View Articleローエングリン
「ロオエングリイン トリスタンとイゾルデ」 ワアグナア作 高木卓訳 (岩波文庫) 「ロオエングリイン」は、白鳥の騎士の伝説を題材にした歌劇です。 「トリスタンとイゾルデ」は、愛の媚薬の伝説を題材にした歌劇です。 この二編は、ワーグナーの作品中、もっとも有名なものです。 今年2013年2月に、岩波文庫から、「タンホイザー」と一緒に復刊されました。...
View Articleトリスタン・イズー物語
「トリスタン・イズー物語」 ベディエ作 佐藤輝夫訳 (岩波文庫) 愛の媚薬によって激しい恋に落ちた、王の甥トリスタンと王妃イズーの悲劇です。 ケルト神話のトリスタン伝説を、フランスのベディエが編集したものです。 現在、岩波文庫で読むことができます。 初版は1953年ですが、訳は易しくて、読みやすいです。 トリスタン・イズー物語 (岩波文庫)作者: 出版社/メーカー: 岩波書店発売日:...
View Articleユーディット
「ユーディット」 ヘッベル作 吹田順助訳 (岩波文庫) 町を救うため、策略によって敵将を殺害した、美女ユーディットの悲劇です。 ヘッベルの処女作で、上演された当時、センセーションを起こしたそうです。 今年2013年2月に、岩波文庫から復刊されたばかりです。 初版は1951年。60年以上経つのに、まだ4刷です。 ユーディット―他一篇 (岩波文庫)作者: ヘッベル出版社/メーカー:...
View Article雀横丁年代記
「雀横丁年代記」 ラーベ作 伊藤武雄訳 (岩波文庫) 一老人が、長年暮らしてきた雀横丁の思い出を、思いつくまま記した回想記です。 19世紀ドイツ作家ラーベの処女作であり、代表作です。 岩波文庫から出ていましたが、現在は品切れ状態。いつまた復刊するのやら。 初版は1937年! 改版されていないので、漢字は旧字体です。 雀横丁年代記 (岩波文庫)作者: ラーベ出版社/メーカー:...
View Article迷路
「迷路」 フォンターネ作 伊藤武雄訳 (岩波文庫) 庶民の娘と男爵の青年が、過ごした楽しい一夏を描いた物語です。 19世紀ドイツ写実主義作家フォンターネの、代表作のひとつです。 現在、岩波文庫から出ています。2005年に復刊された本です。 初版は1937年! 漢字は旧字体で、ひらがなは歴史的仮名遣いです。 迷路 (岩波文庫 赤 468-3)作者: フォンターネ出版社/メーカー:...
View Article罪なき罪
「罪なき罪(エフィ・ブリースト)」 フォンターネ作 加藤一郎訳 (岩波文庫) 退屈な結婚生活において、いっとき過ちを犯したエフィの、悲劇の物語です。 フォンターネの代表作で、ドイツの「ボヴァリー夫人」とも言われています。 初版は1942年。2005年に、まだ第2刷! 岩波文庫から、上下二分冊で出ていますが、下だけ品切れ。...
View Article神経病時代
「神経病時代・若き日」 広津和郎 (岩波文庫) 「神経病時代」は、優柔不断な若い新聞記者の、憂鬱な日常を描いた作品です。 1918年に出た作者の処女作であり、代表作の一つです。 今年2013年の2月に、岩波文庫から復刊されました。 初版は1951年で、活字が読みにくいのですが、他の文庫では読めません。 神経病時代・若き日 (岩波文庫 緑 69-1)作者: 広津 和郎出版社/メーカー:...
View Article2013年5月発売の気になる文庫本
2013年5月発売予定の文庫本で、気になるものを独断で紹介します。 データは、出版社等のHPやメールマガジンを参考にしています。 ◎河出文庫(5/2)から1冊。 ・「コン・ティキ号探検記」トール・ヘイエルダール → 中学時代に英語の教科書で知ったコンティ号の冒険。待望の文庫化。 ◎文春ジブリ文庫(5/10)から1冊。 ・「天空の城ラピュタ シネマ・コミック2」宮崎駿 →...
View Article風流仏
「風流仏・一口剣」 幸田露伴 (岩波文庫) 「風流仏」は、修行中の若い仏師が、悲恋の末に風流仏を彫るまでの物語です。 擬古典調の文体で書かれた名作で、幸田露伴の出世作として知られています。 2013年の2月に、岩波文庫から復刊されましたが、またいつ消えてしまうやら。 漢字は旧字体で、一文が長く、会話文にカッコが無くて、とても読みにくいです。 風流仏・一口剣 (岩波文庫)作者: 幸田...
View Articleシュニッツラー短編集
「花・死人に口なし」 シュニッツラー作 番匠谷英一・山本有三訳 (岩波文庫) 愛と死を描いたシュニッツラーの、前期に書かれた代表的短篇を集めたものです。 「花」「わかれ」「死人に口なし」など、どれも忘れられない作品ばかりです。 2011年に、岩波文庫から出ましたが、新訳ではありません。 底本は1940年頃の訳。しかし、新訳かと思うほど読みやすかったです。 花・死人に口なし 他7篇...
View Article夢小説
「夢小説・闇への逃走」 シュニッツラー作 池内紀・武村知子訳 (岩波文庫) 「夢小説」は、夜のウィーンで、現実と夢のはざまに迷い込んいく男の物語です。 シュニッツラーの後期の作品で、20世紀に入ってからのものです。 現在、岩波文庫から出ています。 活字は読みやすく、訳は分りやすいです。 夢小説・闇への逃走 他一篇 (岩波文庫)作者: シュニッツラー出版社/メーカー: 岩波書店発売日:...
View Article天と地との間
「天と地との間」 オット・ルートヴィヒ作 黒川武敏訳 (岩波文庫) 屋根葺き職人として働く兄弟と、その一家の葛藤を描いた物語です。 19世紀中頃の、ドイツ作家オット・ルートヴィヒの代表作です。 初版は1949年。2010年に復刊されて、ようやく第3刷! 活字が読みにくいですが、手に入る内に購入しておきたい本です。 天と地との間 (岩波文庫)作者: オット・ルートヴィヒ出版社/メーカー:...
View Article水晶
「水晶」 シュティフター作 手塚富雄訳 (岩波文庫) 幼い兄妹が雪山で遭難し、救出されるまでを描いた物語です。 短編集「石さまざま」の中の一編です。 現在、岩波文庫から出ています。 1993年に出た改版で、活字は読みやすく、訳は分かりやすいです。 水晶 他三篇―石さまざま (岩波文庫)作者: シュティフター出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 1993/11/16メディア: 文庫...
View Articleレ・ミゼラブル縮約版
「レ・ミゼラブル(縮約版)」 (角川文庫)など ユゴーの名作「レ・ミゼラブル」の縮約版です。 「レ・ミゼラブル」 → http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2010-03-02 角川文庫版は、2012年の年末に出たばかりです。 2500ページほどの本文を、850ページほどに、縮約しています。 レ・ミゼラブル (上) (角川文庫)作者:...
View Article2001年宇宙の旅
「2001年宇宙の旅」 アーサー・C・クラーク作 伊藤典夫訳 (ハヤカワ文庫) 宇宙船の船長ボーマンの冒険と、人類とモノリスを巡る壮大な物語です。 クラークとキューブリックの二巨匠が、アイディアを出し合って作りました。 1993年に、ハヤカワ文庫から決定版が出ました。 旧版では分かりにくかった言葉が改められ、とても読みやすくなりました。 決定版 2001年宇宙の旅...
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